記念講演「建築の可能性」第2回|中村好文×貴志雅樹

中村好文氏

第一部 講演会内容1:PDFファイル(1.71MB)

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第一部 講演会内容2:PDFファイル(4.03MB)

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貴志雅樹氏

第二部 対談内容:PDFファイル(316KB)

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講演日時: 2008年2月19日(火)
会場: INAX大阪ビル13階 大会議室

INAX the TILE space」は、INAX大阪ビルの新築に伴う記念行事の一環として、全3回シリーズの講演会・対談を 開催しました。テーマは「建築の可能性」。聞き手は富山大学教授の貴志雅樹先生で、第2回目のゲストは、 建築家・中村好文先生です。ネズミ年生まれの中村先生は、北欧のネズミの名前「レミング」からとった 設計事務所・レミングハウスを主宰しています。建築から、家具に至るまで"暮らし"に密着した作品を発表なさっています。 今回の講演会では別荘「レミングハット」の普請の記録を、貴志先生との軽快な対談とともに紹介して下さいました。

第一部 中村好文先生講演会

Part-1"小屋"は住宅の原型

講演会は、INAXのPR誌『INAX REPORT』に連載している、建築家の自邸の訪問記「Architect at Home」を執筆するに 至ったエピソードから始まります。また、なぜ"小屋"が好きなのか、なぜ、"小屋"は住宅の原型なのか、 その理由についても語って下さいました。

Part-2アイリスハット

31、2歳の時、当時教えていたデザイン学校の生徒とともに、木の上に初めて小屋をつくります。浅間山の山麓にある この小屋は、アイリスの畑が眺められるため「アイリスハット」と名付けたそうです。1人用の小さな小屋ですが、 特に建具は細部にわたってこだわりのあるつくりになっています。中村先生の外を眺める独特のアングルに、貴志先生が 「伏し目がち」と指摘するなど、ユニークな説明で会場を沸かせました。

Part-3ラスト・ディケイド1990展

1989年に銀座・松屋で行われた展覧会「ラスト・ディケイド1990」。ここで、「20世紀最後の10年を自然と向き合って 暮らしたい」と提案します。自然エネルギーを使った、貧しくても贅沢な暮らしは多くの人々に共感され、幾つかの土地の 提供者が現れるも、なかなか良い土地に巡り会うことができませんでした。ある時、太平洋を望む絶好のロケーションに 巡り会い、実際に試みようとしますが、ローテクノロジーな生活を実際に行う難しさに、 夢の実現は持ち越しとなってしまいます。

Part-4自然と向き合った暮らし「レムハット」

"レミングハウスの小屋"という意味の「レムハット」は、「アイリスハット」の近くのあった開拓農民の家を改修して つくった別荘です。事務所のスタッフみんなで協力し合ったローテクノロジーな住まいづくりが紹介されています。

  • 4-1 開拓者の家
  • 4-2 セルフビルド

Part-5ローテクノロジーな生活

「レムハット」では、生活用水は屋根勾配を活かして集めた水を濾過して使い、電気はソーラーパネルや風車を使って蓄電します。 さらに、敷地内にあった畑を利用して作物を育て、収穫しては、みんなで料理をして楽しみます。 そんな自然エネルギーとともに生活する様子が披露されています。

  • 5-1 水を集める
  • 5-2 電力を集める
  • 5-3 収穫

Part-6「レムハット」の家具

デザインもさることながら、人の行為と家具の機能が一緒になった実用的な家具をつくっていらっしゃいます。 すだれの扉に始まり、ガラス戸、網戸、雨戸がワンセットになった建具、そしてロフトの下に扉の開閉を工夫した 収納をつくったり、2人用のベットに変わるソファなど、「レムハット」の家具が紹介されました。

  • 6-1 すだれの扉
  • 6-2 一本窓
  • 6-3 収納付きロフト
  • 6-4 ソファ
  • 6-5 寝る時の部屋の使い方
  • 6-6 七輪レンジ
  • 6-7 明かり
  • 6-8 食器入れ兼バーカウンター
  • 6-9 包丁挿し
  • 6-10 マグネットボード

Part-7「レムハット」のエクステリア

建物に斜めに近づくようにつくったアプローチ、教え子たちと枕木を用いて作った七輪用の外キッチン、 その隣には家具職人と男性スタッフがデッキづくりをする様子が披露されました。みんなで力を合わせて モノをつくり上げる楽しさが伝わってきます。

  • 7-1 アプローチ
  • 7-2 外のキッチン
  • 7-3 デッキ

Part-8風呂小屋

敷地の南東隅に風呂小屋を作りました。芯々2,400mm角の大きさのこの小屋には、昔ながらの薪焚きの 五右衛門風呂が備えつけられています。また、脱衣所を書斎と寝室としても使えるように、文机の下を 開閉式の掘りごたつのようにするなど工夫が施されています。中村先生は、「レムハット」に泊まる時は もっぱらこの小屋を使用し、テントのような茶室のようなこの空間をとても楽しんでいらっしゃるようです。

第二部 中村好文×貴志雅樹 対談

最後は貴志先生との対談です。Part-1では建築の構成についての話、Part-2では建築の形、Part-3では 建築家の"芸"について、そしてPart-4では中村先生の考える"良い家"について語られます。またPart-5は、 たくさんの建築をご覧になっている中村先生が建築の見方、伝え方についてお話しされ、最後のPart-6では 建築家としての責任について語られています。

Part-1構成

  • 1-1 上総の家
  • 1-2 マイレア邸
  • 1-3 伊丹十三記念館

Part-2建築の働きと形

Part-3"芸"を考える

Part-4空間に触れる

Part-5建築の伝え方

Part-6クライアント

■中村好文氏 プロフィール
なかむら・よしふみ――建築家/1948年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業。 1972〜74年、宍道設計事務所。1975年、都立品川職業訓練校木工科にて家具職人の訓練を受ける。 1976〜80年、吉村順三設計事務所。1981年、レミングハウス設立。
三谷さんの家(1986)、REI HUT(2001)などの住宅作品の他に、『住宅巡礼』(新潮社 2000)、 『意中の建築 上・下』(新潮社 2005)などの著作がある。

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