菊竹清訓講演会「三段階方法論“か・かた・かたち”を解く」

菊竹清訓氏

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講演日時: 2008年6月7日(土)13:30〜
会場: INAX:GINZA 8階セミナールーム

2008年第2回目の「INAX住宅営業課主催『INAX建築家サミット』」では、建築家・菊竹清訓先生による 講演会が行われました。2007年7月20日発行の 『INAX REPORT』「特集―著書の解題『代謝建築論』」を 機に、この講演会が開催されました。
菊竹先生は建築家としてはもちろんのこと、建築哲学の三段階方法論“か・かた・かたち”でも世界に 名が知れわたっております。今回は、三段階方法論に至った経緯に始まり、ブリヂストン創設者・石橋 正二郎氏との出会い、1960年の世界デザイン会議、ルイス・カーン氏との出会い、「京都国際会議場 設計競技」、「都城市民会館」などのプロジェクトを通して、建築哲学の大切さ、建築家としての在り方 について、熱く語って下さいました。

Part-1まず、はじめに

今回の講演会のテーマは住宅。そして三段階方法論“か・かた・かたち”は住宅を考える上で とても大切だと話されるところからスタートします。また、アメリカの学生は40分が集中力の限界 という経験をもとに、40分単位で話を進め、聴者へ心配りのある、先生らしい講演がスタートしました。

Part-2方法論について

次に、なぜ、そしていかにして方法論を考えるようになったかについて述べられました。 菊竹先生は、武谷三男氏が提唱する三段階論と出会い、それをもとに、建築、都市における 三段階方法論を考え出します。また、東京駅(1914)を例に挙げ、方法論がなぜ必要か、 その重要性は何かについてお話されました。

  • 2-1武谷先生との出会い
  • 2-2方法論の必要性
  • 2-3方法論の重要性

Part-3石橋正二郎氏との出会い

竹先生は、ブリヂストン創設のお手伝いをした祖父の縁で、創設者・石橋正二郎氏から“文化的な” 設計を依頼されます。ほとんどが古い建物の曵き移転、そしてコストの厳しい制約があり大変苦労 されたと話されます。そのような状況でも建築家として新たな提案をすることに挑み、数々の建物 を設計します。母と子が快適な生活のできる建築を目指した「母子寮」、メタボリズムの解体・ 組み立てのきっかけとなった「永福寺幼稚園」、ムーブネットの先駆けとなった「ブリヂストン 殿ヶ谷第一アパート」。石橋氏には、どんな建物も古くはなるが、そこに新しい価値をつくり出す ことの大切さを気付かせてもらった、と語りました。
そして、「スカイハウス」を設計するに至った経緯、その提案について話し始めます。

  • 3-1ブリヂストン
  • 3-2母子寮
  • 3-3永福寺幼稚園
  • 3-4ブリヂストン殿ヶ谷第一アパート
  • 3-5コストについて
  • 3-6スカイハウス

Part-4世界デザイン会議

1960年に日本で開催された「世界デザイン会議」は、各国のさまざまなデザイナーが一堂に 会して議論した素晴らしい会議だったそうです。この会議を通してルイス・カーン氏に出会い、 互いの方法論に対して「スカイハウス」で激論が交わされたと語ります。菊竹先生はカーン氏を “無二の先輩”として、その後も大変親しく、いろいろな話をしたと語られます。

  • 4-1世界デザイン会議
  • 4-2ルイス・カーンとの出会い

Part-5プロジェクト

ここでは、数々のプロジェクトが紹介されました。高さ300mの高層住宅「塔状都市」、沖合いの コンビナートを提案した「海上都市」。“同一機能を同一レベル”という設計仮説をもとに提案 した「京都国際会議場設計競技」、木造のようにコンクリートを組み立て、建て替えに備えた 提案をした「出雲大社庁の舎」、教会の果たす役割をみんなが使える“広場”で提案した 「カトリック教会平和記念聖堂コンペ」、そして設計仮説の“光・音・空気の統一”に挑んだ 「都城市民会館」、その同時期に同じ考え方で建てられた「ベルリン・フィルハーモニー」に ついて語りました。そして、建築家というのは、いかに建築の考え方、生活のこと、それから それに関連することは何でも仕事として考えていくべき立場だと話されます。

  • 5-1塔状都市
  • 5-2海上都市
  • 5-3京都国際会議場設計競技
  • 5-4出雲大社庁の舎
  • 5-5カトリック教会平和記念聖堂コンペ
  • 5-6都城市民会館
  • 5-7ベルリン・フィルハーモニー

Part-6近年の活動

現在進行中のモスクワの庭付き高層住宅のプロジェクトについて話され、また、数々のコンペ の審査委員を務める菊竹先生はどのように評価を下しているのかについて話されます。最後 には、ヨーロッパの専門家会議に出席した際、“ミースが日本建築の真似をした”と述べ、 大騒動になった話を語り、自分の意見を述べることの大切さを話されました。

  • 6-1スカイガーデン
  • 6-2評価について
  • 6-3ミースについて
■菊竹清訓氏プロフィール
きくたけ・きよのり――建築家/1928年生まれ。1950年、早稲田大学理工学部建築学科卒業、 竹中工務店入社。1952年、村野・森建築事務所入社。1953年、菊竹清訓建築設計事務所開設、現在に至る。
主な作品:ブリヂストン殿ヶ谷第一アパート(1956)、島根県立博物館(1959)、久留米市民会館(1969)、 大阪万博ランドマークタワー(1969)、アクアポリス(1975)、銀座テアトルビル(1987)、 江戸東京博物館(1993)、島根県立美術館(1998)、九州国立博物館(2004)、愛知万博マスタープラン およびグローバルループ(2005)など。

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