地域の思いが込められた新生・鳥の海公園

(宮城県亘理郡亘理町)

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原状復旧を超えた未来のまちの再建

鳥の海の荒浜漁港鳥の海の荒浜漁港。写真中央の奥の建物は、わたり温泉鳥の海。避難ビル機能も備えた防災拠点施設に位置づけている

仙台市から約26km、宮城県南部に位置する亘理町。東に太平洋、西に阿武隈高地を有し、北を阿武隈川が弧を描きながら流れ、中心部には肥沃な平野が広がる。冬は暖かく夏は涼しい穏やかな気候と、恵まれた自然環境により、農業をはじめ林業、水産が基幹産業となっている。
亘理町では、2011年12月に策定された「亘理町震災復興計画」に基づき、2020年までの10年間にわたって復興施策・事業に取り組んでいる。「亘理町震災復興計画」は、国の復興に関わる基本方針、宮城県の震災復興計画を尊重しながら、町民、関係団体、企業、NPOなど、亘理町の活動主体と、防災に関する学会や研究機関からの提言などを踏まえたうえで、国、県と緊密に連携を取り合い、亘理町震災復興会議での検討を重ね、策定された。「安心・安全・元気のあるまち亘理」を基本理念に、震災以前の原状に戻すという復旧作業に留まらず、災害に強く、さらには未来を見据えて、各産業や歴史、自然など、地域の特性を生かしたまちの再構築を図っている。
実際、東日本大震災の津波では、亘理町の48%が浸水し、被害額は3,352億円にも上った。2017年末時点での復興計画の進捗率については、2,000億円規模に相当する98%を着手し、85%が完了している。避難道路や津波緩衝丘などの防災機能、集団移転のための宅地や市街地などの整備が進み、新しい亘理町の姿が形成されつつある。
その中でも、太平洋と鳥の海に囲まれた荒浜地区は、町内唯一の「水辺の交流エリア」として開発が進んでいる。三方面に水辺を擁する恵まれた環境を活かし、荒浜漁港を中心とした水産業や海洋観光、レジャー、レクリエーション機能を集積した賑わいのある元気なまちづくりを目指す。2018年4月14日には、防災集団移転促進事業で新規の土地を取得し、宅地と農地だった移転跡地に、防災機能を備えた都市公園「鳥の海公園」が開園した。町民だけでなく、町外からの来訪者の憩いとレクリエーションの拠点として、これまでにはない交流人口の拡大が期待される。

亘理町荒浜地区に復旧した鳥の海公園の地図亘理町荒浜地区に復旧した鳥の海公園の地図(提供:亘理町。イベントマップを一部加工)[クリックで拡大]
鳥の海公園鳥の海公園。芝の築山は、津波などの際に一時避難するための避難丘
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