INAXライブミュージアム10周年特別展「つくるガウディ」第2弾

「完成! 常滑ガウディ」<Vol.4>
土とやきものタイルが共鳴する場

(『コンフォルト』2017 June No.156掲載)

世界でもっとも人気があり、インパクトを与え続けている建築家、アントニオ・ガウディ(1852 - 1926)。
そのガウディのスピリットを、建築家と職人の3人が現代の一つの造形に結実させた。
これまでにない「土とやきものタイル」が共鳴する場を、常滑で体感したい。

INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」で2016年11月から2017年3月まで公開制作されてきた特別企画展「つくるガウディ─塗る、張る、飾る!」がついに完成。第2弾「完成! 常滑ガウディ」として4月15日に全容が現われ、5月30日まで間近に体感することができる。つくったのは建築家・日置ひき拓人さん、左官職人・久住有生くすみなおきさん、タイル職人・白石あまねさん。アントニオ・ガウディ未完の建築「コロニア・グエル教会」から着想し、展示の構造体として身廊しんろうの7つのドームを日置さんが設計。白石さんが3種のオリジナルタイルを即興的に張り、久住さんが土壁を塗って仕上げてきた。

走るように、タイルを張る

7つのドームとエントランスで構成される「常滑ガウディ」。3人がつくった現代のコロニア・グエルは軽やかな構造体に、繊細な左官技術、創造性豊かなタイルによって完成した。
エントランス外側。ここは久住さんが土壁を仕上げると同時に、白石さんが穴あきの千鳥のような「アマーネ」を重ねつつ張り進んだ。アマーネの真ん中の穴から、土が盛り上がる表情も楽しい。

会場に一足踏み込んだところで、ひときわ目を引くのは頂部が尖ったエントランスの造形である。立体的なタイルが身を寄せて重なりながら、外側は足元から頂部へ向かい、内側はエッジから奥へと進み、その動きに職人の息づかいが伝わってくる。エントランスは久住さんと白石さんが最後に仕上げた個所で、じつは手順をそれまでと逆にしたという。白石さんが振り返る。
「タイル職人は普段の仕事では、できた下地に張るので、自分のペースでできるし、やり直しもできます。左官はそうじゃない。塗りだしたら仕上がるまでノンストップです。最後のエントランスは、久住さんが先に一発でものすごくきれいな仕上げをしている横で、僕がスタンバイしていました。土が乾くとタイルを張るタイミングを逃してしまう。いつもと違って止まれない、戻れない、とにかく走っている感じ。
左官の感覚でタイルを張るのは初めてで、とても楽しかった」。土とタイルが生んだ一気呵成の勢いがここにある。

エントランス内側。三角形のタイル「ツェルツ」をエッジから奥へ、差し込むように張った。一気呵成の勢いが伝わってくる。
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