ついに完成!−伊東 豊雄氏が進める復興支援プロジェクト『みんなの家』×LIXIL Vol.3

笑顔があふれるオープニングセレモニー

これまで2回にわたってレポートをしてきた「釜石市商店街 みんなの家」が、ついに竣工を迎えました。6月23日(土)には、現地でオープニングセレモニーが開催され、釜石市長をはじめとし、近隣住民の方々、運営をされるNPO団体の方々、設計者の伊東豊雄さんらが出席されました。協賛企業からも来賓の方々が出席され、LIXILからは役員と、東北の支社長が出席させていただきました。

午後からはじまったオープニングセレモニーは、終始和やかな雰囲気と喜びに満ちた空気が会場に広がっていました。その一方で、これからの「みんなの家」を育てていく方々のやる気に満ちた様子も感じ取ることができました。

[画像を拡大]釜石市商店街「みんなの家」イメージスケッチ イラスト=伊東豊雄建築設計事務所
(上から)壁面のコンクリートブロックが積み上がりました→室内の設備工事が進みます→入口「サーモス」の障子が入りました→壁塗りのボランティアのみなさん→晴れて竣工の日を迎えました
伊東豊雄氏挨拶
オープニングセレモニーの様子

釜石市商店街「みんなの家」について

建物名称:釜石市商店街「みんなの家・かだって」
所在地:岩手県釜石市只越町1-3-2

震災復興を支援する「帰心の会」が進めている活動で、ここ釜石市商店街「みんなの家」は、仙台市宮城野区(伊東豊雄氏ら設計)、釜石市平田(山本理顕氏ら設計)に続き、3カ所目となる。

完成後はNPO法人「@リアスサポートセンター」が運営主体となり、東日本大震災で被災した住民の方々が生活や地域の復興を話し合う拠点として、また様々なイベントの場としても活用される予定。

[画像を拡大]釜石市商店街「みんなの家」平面プラン イラスト=伊東豊雄建築設計事務所
  • 「帰心の会」とは
    東日本大震災からの復興に向けて建築家ができることを考え、実行に移す為に結成された。伊東豊雄氏、山本理顕氏、内藤廣氏、隈研吾氏、妹島和世氏の5人から成る。
  • 「みんなの家」とは
    帰心の会が進めているプロジェクト。被災者の方々が憩い、復興について語り合う拠点の場となることを目指している。昨年10月に宮城県仙台市宮城野区、本年5月に岩手県釜石市平田地区に完成。
  • 「かだって」とは
    釜石地方の方言で、「(何かをする時に)みんな集まって!」という意味。

オープニングセレモニー 伊東豊雄氏スピーチ(一部を抜粋して掲載)

伊東 豊雄氏

わたしは、去年の5月から釜石市の復興会議のお手伝いをさせていただいているのですけれども、市の復興計画が進んでいくのと同時に、一方では、住民の方たちが「自分たちで何かを作っていくんだ」という気構えが復興にはすごく必要なことだと思っていて、釜石市商店街の「みんなの家」は、そういう拠点になってほしいと思っています。

市長も話されていましたが、ここは、心を温めていただくだけでなく、みんなが一緒になって作って、一緒になって使っていってほしい、そういう色々な意味で、「みんな」という言葉を使っているんですね。

私たちも、普段、設計をしているだけではなく、被災地のこの場所で、皆さんと話しながら、我々が何を考えないといけないかを勉強させてもらっています。

釜石の「みんなの家」は、仙台につづき、我々では、2つ目の「みんなの家」ですが、いつも、本当に色々なみなさんが力になってくださることを感じています。

我々も、この場所へ何度も来て、お酒も飲ませていただきたいと思っていますし、いろんな形でここを使っていただければと思っています。

「みんなの家」を静かに見守るLIXIL製品

今回は、室内に取付けられたLIXIL製の設備をご紹介していきます。
建物内の奥に設えられているキッチンや、トイレをはじめトイレまわりに設置された洗面器、手すり、出入り口の引戸もLIXILの製品です。空間をひとつづきに構成されたキッチンスペースは、広々として会話が弾み、楽しくお料理ができそうです。

オープニングセレモニーの日には、さっそくキッチンを使いこなしていただいておもてなしの準備がされていました。

今回は、SHARP製の大型テレビも設置されました。「みんなの家」で開催されるイベントでは大いに活躍することでしょう。

キッチンからトイレ、開口部に至るまで、住まうことの全てをサポートできるLIXIL製品が快適な空間づくりのお手伝いをし、復興にかけるみなさんの情熱を静かに見守ります。

(左)リシェル(キッチン)(右)アクオス(SHARP製テレビ)
(左)サティス(トイレ)・鏡・手洗い器(右)ウッディーライン(室内引戸)

「みんなの家」とともに歩んでいくみなさん

Vol.2でご紹介した手作りの家具もすっかり空間に溶け込み、設計者や施工者が作った「家」という「パーツ」と、住民の方々が作った「家具」という「パーツ」がこうして一つになりました。つくり手と住まう人々、それぞれの想いが形となってできあがり、これからの未来を語らう空間がこうしてまた新たに誕生しました。

ただ建物ができあがっただけではなく、これからの使われ方が重要となるこの空間です。住民の方々とともに育っていく「みんなの家」の成長が楽しみです。

手作りの家具をフル活用してミーティング中です

釜石市商店街「みんなの家」とLIXILのつながり

仙台市宮城野区「みんなの家」(2011年10月竣工)と伊東氏

震災後、釜石市復興プロジェクト会議のアドバイザーとして任命された伊東氏によって、岩手県釜石市の商店街の一角に、新たな希望の場所となる「みんなの家」が誕生します。このプロジェクトは、仙台市宮城野区「みんなの家」に続く、第2弾となるプロジェクトです。
LIXILでは、「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献する」という企業理念のもと、この「みんなの家」の主旨に賛同し、この釜石市商店街「みんなの家」づくりをサポートしていきます。

[関連リンク] 特定非営利法人これからの建築を考える : http://www.itoschool.or.jp/

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