メム メドウズ 〜国際大学建築コンペ〜

北海道大樹町の研究施設「メム メドウズ」に、新たな実験住宅が誕生します

LIXIL住生活財団主催の国際大学建築コンペが2012年4月に行われ、慶応義塾大学 ラドヴィッチ研究室のメンバーが見事最優秀賞を獲得しました。「BARN HOUSE」と名付けられた住宅のコンセプトは、人と馬がともに暮らす家。次世代を担う若者たちが、独自の発想で新たなサステナブル住宅を生み出そうとしています。

国際大学建築コンペについて

公開審査会と表彰式の模様

2012年3月、公益財団法人LIXIL住生活財団主催の「国際大学建築コンペ」が幕を上げました。気象条件が過酷で、インフラ基盤の弱い北海道大樹町に、「世界の最先端の技術を導入した次世代サステナブル住宅を建設する」。それが今回のテーマです。
この建築コンペの特徴は、学生を対象とした国際的な実施コンペであること。最優秀を受賞した学生は、その作品を実際に建築することができるという、世界的にも類を見ないイベントです。
世界9カ国・12大学から優れた提案が寄せられた中、スイス連邦工科大学(スイス)、アアルト大学(フィンランド)、慶応義塾大学(日本)の3校が一次審査を通過。4月27日に公開審査会が行われ、「BARN HOUSE」を提案した慶応義塾大学が、見事最優秀に輝きました。

優勝作品「BARN HOUSE」とは

「BARN」とは英語で馬屋のこと。大樹町が元々競走馬を飼育していた地域であったことから、人と馬がともに暮らす「BARN HOUSE」というコンセプトが生まれました。

審査会が終わり、翌5月から「BARN HOUSE」を実際に建てるための打ち合わせがスタート。馬と人との生活を実現させるには、着工前に馬の生態を自分たちで検証しなければなりません。
これまでも、馬の生態について調べている人はいますが、馬と一緒に住むことを前提にしているわけではないので、調査の過程で次々と新たな事実が判明しました。例えば、馬は代謝が良い分CO2を多く排出することがわかりました。そのため工業用の換気が必要となり、換気口を大きくし、間取りを変更せざるを得ませんでした。
また、堆肥から熱を取るしくみが変更になったり、堆肥を発酵させるための仕掛けを考えなければならなかったりと、細かな調整が着工の直前まで続いていました。

「BARN HOUSE」イメージ

今回のコンペのテーマである「次世代のサステナブル住宅」について、慶応大のリーダー小松さんはこう言います。
「サステナブルとは、無理をしないこと。文化的・産業的な側面が考慮されていたり、暮らしやすさが追求されていたりしないと、サステナビリティというのはつまらなくなっていくと思います。エアコンの性能を上げて、断熱材を増やして…となると、重装備化が進んでつまらない建築になってしまいます。それを踏まえて何ができるのか、それが今回の僕らのテーマです。」

そして7月23日、ついに着工。

北海道らしい抜けるような青空の下、ついに「BARN HOUSE」は着工の日を迎えました。メンバー数名も現地入りしており、建設に携わっています。
また、コンポストの脱臭等に使う炭も、自ら作成する予定です。

(右)「BARN HOUSE」建設予定地

竣工は10月予定です

人と馬が生活空間をともにする「BARN HOUSE」。そこで暮らす馬2頭もメム メドウズ入りしています。どんな家になるのか、私たちも楽しみです。
奮闘の模様は、オフィシャルサイトやFacebookで随時公開予定です。お楽しみに。

「BARN HOUSE」で暮らす予定の馬

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