今回は女性を対象に、待ち合わせをする際の場所について質問しました。その結果、回答が集中したのは「目的地の近くの駅」と「目的地」でした。遠方であったり、逆方向であったりといった友人知人と待ち合わせる場合などは、最寄り駅または現地集合を選択する場合が多いのかもしれません。特に小さな子どもを連れている女性は、移動を考慮してか、現地で待ち合わせるという回答が目立ちます。(Q1)
次に待ち合わせ場所を選んだ理由について尋ねると、「わかりやすい」「相手を見つけやすい」「移動がしやすい」に多くの回答が寄せられました。また注目できる回答として「暇つぶしができる」というものがあり、相手を待つための時間をどう過ごすかを、待ち合わせ場所の選択肢に加えている人が多いということがわかります。(Q2)
次は「外出(待ち合わせ)をする前に、トイレに立ち寄ることがあるか」を尋ねました。女性の場合は特に、待ち合わせ場所とトイレとは関わりが深いと予想したからで、結果は約80%の女性が待ち合わせ前にトイレに立ち寄っていることがわかりました。
また年代別で見ると、年齢を追うごとにその傾向が高まることがわかります。(Q3)
ここで少し話題を変えて、アンケート結果からも待ち合わせの前に多くの女性から利用されているという、トイレの事例についてご紹介します。
今回のアンケートに際して、以下のような「待ち合わせトイレスポット」のイメージ図を用意して、それを元にアンケートを実施しました。多くの女性が待ち合わせに選ぶのは、「わかりやすく」「相手を見つけやすい」「暇つぶしができる」場所であること、また80%近い女性が「待ち合わせ前にトイレを利用」することをベースに、乳幼児連れの女性にとって不可欠な「授乳室」や「多目的トイレ」といった設備を満たしたものです。
このような待ち合わせトイレスポットがあった場合、「利用したいと思うか?」という質問に対して、83%の女性が利用したいと答えました。特に乳幼児を連れている女性の回答は87%とより高く、しかし子どもを連れていない女性も83%が利用したいと回答しています。(Q4)
では、その「待ち合わせトイレスポット」に設置を希望するとしたら、「どのようなものを求めるか?」を尋ねました。(Q5、Q6)最も多く寄せられた回答は、「ソファ・ベンチ」でした。移動で疲れていたり、子どもを休ませたり、座って携帯をチェックするなどして、時間をつぶすことをイメージしているのかもしれません。
乳幼児を連れている女性はやはり圧倒的に、授乳室とプレイルームを希望しています。
次に、女性たちは「待ち合わせ」で、相手をどの程度待っているのだろうと、「どのくらい待つことができるか?」と尋ねたところ、「15〜30分未満」「5〜15分未満」という結果が圧倒的でした。(Q7)質問は待つことができる限界の時間ですから、実際はこれより短い時間に待ち合わせが完了している場合が殆どであることが推測できます。
待ち合わせは相手ありきのことで、誰と待ち合わせたかにより待つ時間(待てる時間)は変わってくるのかもしれません。また、待ち時間が短い理由としては、携帯電話の普及が影響している背景も透けてきます。このようなことから、待ち合わせ場所にいる人は目的地に向かう前段階のため人の入れ替わりが早く、待ち合わせに場所に設備を設けた場合も比較的回転が早く、混雑もある程度緩和ができることが予想できます。
パブリックトイレの設計について特別編として『待ち合わせ』というキーワードから考えられる可能性を探ってきました。現在、あらゆる研究機関や自治体などによって『待ち合わせ』の可能性を広げる研究や勉強会がおこなわれています。
いかがでしたでしょうか。これらのパブリックトイレについての調査をご参考にしていただき、さまざまな利用者ニーズに合ったトイレ空間づくりにお役立ていただければ幸いです。
弊社カタログ請求などは、営業担当者にお気軽にお問い合わせください。
|