地域の思いが込められた新生・鳥の海公園

(宮城県亘理郡亘理町)

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水辺の観光資源で交流人口を生み出す

鳥の海に面した荒浜漁港鳥の海に面した荒浜漁港や荒浜漁港公園は、ハゼやカレイなどの魚が釣れる人気の釣りスポット。休日には子ども連れの家族の姿も

鳥の海公園周辺には、水辺の交流エリアとして、すでに完成した各種施設が点在している。鳥の海の北岸に位置する荒浜漁港には、2014年10月に「きずなぽーとわたり」がオープン。水産センターを再建した施設で、1階に産直施設「鳥の海ふれあい市場」、2階に県漁協仙南支所の事務所、3階に独立行政法人防災科学技術研究所の地震と津波の観測局舎が入る。鳥の海ふれあい市場では、荒浜で水揚げされた新鮮な魚介類、地物野菜、特産品などを販売している。
きずなぽーとわたりの向かいには、震災で被災した商業店舗が集まったアーケード付きの「荒浜にぎわい回廊商店街」も営業している。約8,500平方メートルの敷地は、事業者の早期再開を推進するため亘理町が基盤整備し、公衆トイレや駐車場を含めた商店街の事業費約2億2,000万円は、国のグループ化補助金などを活用した。飲食店や海産物の販売店、サーフショップなど、商店街の8店舗は、荒浜地区に“にぎわい”と“なりわい”を取り戻そうと、地元で先駆けて再生に取り組み、地域活性化の一翼を担っている。

活気あふれる荒浜漁港水産まつりの様子活気あふれる荒浜漁港水産まつりの様子。漁港で水揚げされた新鮮な水産物や荒浜発祥の郷土料理・はらこめしも楽しめる(提供:亘理町)

荒浜にぎわい回廊商店街荒浜にぎわい回廊商店街。アーケードでは、地元のイベントも開かれ、多くの人で賑わう(写真右提供:亘理町)

また、2017年11月には、荒浜漁港に隣接する「荒浜漁港公園」の復旧工事が完成し、供用が開始された。公園と道路の間に高さ1.5mの防護壁が整備され、嵩上げ部分には展望台、以前釣り場だった場所には釣りデッキを新設。鳥の海沿岸に続く遊歩道で水辺の散策を楽しめるほか、休日には、子ども連れの家族など、多くの人が釣りをしにやってくる。
鳥の海公園よりも一足早く、2018年4月9日にリニューアルオープンした宿泊施設「わたり温泉鳥の海」は、鳥の海公園、荒浜漁港公園、荒浜にぎわい回廊商店街の中心に位置し、亘理町の観光拠点の核ともいえる。亘理町所有の施設だが、サービス向上によりさらなる集客を図るため民間に運営を委託し、宮城県の交流人口拡大のための補助金など1億5,800万円を活用して大規模改修を行った。県外からの利用者も増え、ゴールデンウィークの5月5日には、日帰り入浴やレストランなど館内施設の利用者数が過去最高1,390人を記録した。今後は、鳥の海公園と連携してスポーツ合宿など学校関係団体の宿泊場所に活用する計画もある。
亘理町では、鳥の海を観光資源とした集客拠点が集積する荒浜地区から、周辺地域への回遊性を高めていき、復興を加速していきたいと考えている。

撮影/シヲバラ タク(特記を除く)

荒浜漁港公園の釣りデッキ荒浜漁港公園の釣りデッキ。写真奥は、荒浜漁港ときずなぽーとわたり
鳥の海に臨む荒浜漁港公園の展望台鳥の海に臨む荒浜漁港公園の展望台
わたり温泉鳥の海わたり温泉鳥の海。大浴場からは、東側の太平洋に面した牡鹿半島、金華山、西側の蔵王連峰を一望できる(提供:亘理町)
海岸沿いのTP10mの津波緩衝丘からの眺め海岸沿いのTP10mの津波緩衝丘からの眺め。左手に荒浜海水浴場、奥に荒浜漁港公園、右手にわたり温泉鳥の海が見える
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