小規模事業者のホームページ活用と集客1
~なぜホームページが必要なのか~

中小企業診断士 市岡直司(株式会社市岡経営支援事務所)

みなさんの事務所では、ホームページを開設していますか?

「そもそも、ホームページは必要なの?」

という質問を受けます。こういう方の多くが「ホームページは必要かもしれないが、現状なくて困ったことがない」という意見を持っています。ホームページ作成に踏み出せない小規模事業者のために、今回はそもそも「なぜホームページが必要なのか」について解説していきたいと思います。

企業ホームページの必要性

現在、事業を営んでいる法人、個人事業主の中にはホームページを持っていない企業も多く見受けられます。ホームページを持たない理由の1つに「いまいち必要性を感じない」という意見も多くあります。ホームページがないからといって仕事に困らないというのが大きな理由でしょう。

しかし、近年ホームページの重要度は増すばかりです。ここではホームページがない会社の3つの大きなリスクについて見ていきます。

①企業の信頼性の低下

現在、企業のホームページのチェックは常識です。はじめて訪問する企業や、新規取引先の事前調査、初めていくお店のホームページをあらかじめチェックすることは日常茶飯事ではないでしょうか。

事前にチェックしてホームページがない会社であれば、

「この会社は信頼できるのかな」
「ホームページを開設するお金がないのかな」

と余計な不安を関係者や顧客に与えてしまう可能性が高いと言えます。このように企業ホームページを見て情報収集するのが常識となった今、逆にホームページを持っていない会社は厳しい目で見られてしまいます。

ホームページはネット上に出す看板に例えることができます。看板を出していない企業やお店には積極的に入りづらいものです。企業ホームページが無いのは、看板や名刺もなしに営業するのと同じ行為であり、気づかないうちに会社の信頼に大きな影響を与えているのです。

②持続的な商品・サービスの宣伝効果の放棄

小規模事業や中小企業にとって新規顧客獲得はもっとも重要な課題の1つです。そのための手段として、ダイレクトメール、新聞広告、折り込みチラシなどが考えられます。

これらの宣伝手段の集客効果は一時的なものであり、時間が経つと効果は薄れてきます。それに対して、ホームページはネット上に常時存在しているため、持続的に集客効果を発揮できるという特長があります。

長期的にみれば、ホームページは集客効率が高い宣伝活動の1つと言えます。

ホームページがないのはこのような持続的な商品・サービスの宣伝効果を活かせていないことになります。

③ライバルに顧客を奪われるリスク

また、ホームページの必要性を感じない企業の特徴として「口コミや紹介が主体なのでホームページから宣伝活動は必要ない」という意見も多くあります。

例えば、口コミでお客様のお名前を知った顧客の最初の行動を想定してみてください。

口コミで紹介を受けた会社でも 取引の判断するにあたり、多くの方が「まずはネットで検索してみるか」と考えるはずです。

そこで、検索してみても会社のホームページが見つからない、引っかかってくるのはネット上の電話帳や求人募集のサイトという状況だと、お問い合わせをするのに二の足を踏んでしまいます。実際のところこのような会社もまだまだ多いのが現状です。

ホームページが無いと、知らないうちにホームページのあるライバル企業に新規顧客を奪われてしまうリスクが高まっています。口コミや既存顧客が主体の会社でも、ホームページは必要なのです。

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公開日:2019年03月07日