お客さまとのコミュニケーション方法と営業スタイルの変化(調査編)

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新型コロナウイルス感染拡大により、ビジネスの在り方も一変した2020年度。コロナ禍でお客さまとのコミュニケーション方法や営業スタイルなどにどのような変化が見られたのか。現在の取り組みや課題について調査した。

全体の6割が「受注に影響あり」。今後は「減少見込み」が5割強

まず、新型コロナが2020年度(2020年4月~2021年3月)の受注に与えた影響について尋ねたところ、全体の64.6%が「影響があった」と回答。従業員数別で見ると、「影響があった」との回答は「10名未満」(62.1%)、「10名以上50名未満」(59.0%)共に全体の割合を下回ったものの、「50名以上」では、全体より12.9ポイント増の77.5%となり、従業員数によって業績への影響に違いが出ている(図1)。

図1 新型コロナウイルス感染症による受注の影響(SA)

図1 新型コロナウイルス感染症による受注の影響(SA)
図1 新型コロナウイルス感染症による受注の影響(SA)

2021年2月以降の受注(成約)見込みについては、「例年通り」が34.6%で最も多かったものの、「例年よりやや減少する見込み」(33.7%)、「例年より減少する見込み」(20.6%)を合わせると、全体の5割強が「減少見込み」と回答。従業員数別で見ると、「減少見込み」との回答割合が最も高かったのが「50名以上」(57.5%)だった。「10名以上50名未満」の会社が最も減少見込みの割合が低く、例年より増加見込みとする割合も高かった(図2)。

図2 2月以降の受注(成約)見込み(SA)

図2 2月以降の受注(成約)見込み(SA)
図2 2月以降の受注(成約)見込み(SA)

勤務先での在宅ワーク率は3割強にとどまるも半数が前向き姿勢

新型コロナを機に在宅ワークやオンライン活用の動きが加速する中、メルマガ会員にもその実態を調査した。
まず勤務先での在宅ワークの実施状況については、「実施しておらず、実施予定もない」が43.8%で最も多く、「全社員が積極的に実施している」(11.4%)、「人数、日数など限定的だが実施している」(24.2%)を合わせて「実施している」との回答は3割強にとどまったが、「準備中・検討中」を含めると在宅ワークの実施に前向きな回答は5割に達している(図3)。

一方、回答者個人の在宅ワークの実施頻度を尋ねたところ、「全く実施していない」が55.1%で最も多く、5割を超えた(図4)。

図3 在宅ワークの実施状況【勤務先】(SA)

図3 在宅ワークの実施状況【勤務先】(SA)

図4 在宅ワークの実施状況【個人】(SA)

図4 在宅ワークの実施状況【個人】(SA)

オンライン活用は受注前後共に「コロナ禍を機に」がトップ

集客やヒアリングなど、受注前の営業活動におけるオンラインの活用状況を尋ねたところ、「コロナ禍をきっかけに取り組み始めた」が26.8%で最も多く、「コロナ禍以前から取り組んでいた」(14.6%)と合わせて41.4%が「活用あり」と回答。「準備中・検討中」(23.1%)まで含めると、全体の6割強がオンライン活用に前向きな姿勢を見せていることが分かった。

従業員数別で見ると、従業員数が少ない会社ほど「コロナ禍以前から取り組んでいた」傾向があるものの、「活用なし」の割合も高く、オンライン活用の二極化が見られる。一方で、従業員数が多いほど「コロナ禍をきっかけに取り組み始めた」割合が高く、オンライン活用に積極的な姿勢を見せている。「準備中・検討中」の回答は従業員数にかかわらず2割ほどであった(図5)。

図5 営業活動におけるオンライン活用【受注前】(SA)

図5 営業活動におけるオンライン活用【受注前】(SA)

また、受注後のお客さまとの打ち合わせなどでのオンライン活用についても「コロナ禍をきっかけに取り組み始めた」(27.8%)が全体のトップに。「コロナ禍以前から取り組んでいた」(13.3%)、「準備中・検討中」(26.4%)まで含めると、オンライン活用に前向きな回答は67.5%となった。

従業員数別で見ると、受注前の傾向と同様に従業員数が少ない会社ほど先行して取り組んでおり、従業員数が多いほど「コロナ禍をきっかけに取り組み始めた」割合が高い。「準備中・検討中」の回答は従業員数にかかわらず受注前に比べポイント数が高く、オンライン活用の今後の伸び率が感じられた(図6)。

図6 営業活動におけるオンライン活用【受注後】(SA)

図6 営業活動におけるオンライン活用【受注後】(SA)

従業員規模で異なるオンライン活用の実態

では、実際に営業活動でどのようにオンラインを活用しているのか。受注前、受注後それぞれの取り組み状況を見てみよう。 受注前の取り組み内容のトップが「ホームページでの集客」で68.5%。次いで、「SNSでの集客」(42.3%)、「オンラインでの個別相談」(32.1%)だった。従業員数別で見ると、各取り組みのポイント数に差があり、特に10名未満の会社は、ポイントは低いが、これは、口コミや紹介による受注が多く、そもそも集客活動に注力していないことも影響していると推測できる。一方で、「各メーカーが提供するオンラインツール」を最も多く活用しているのも10名未満の会社であり、従業員の規模に応じた集客方法の違いが浮き彫りになった。(図7)

図7 オンライン活用の取り組み内容【受注前】(MA)

図7 オンライン活用の取り組み内容【受注前】(MA)

受注後の取り組み内容では、「オンラインでのお打合せ」が67.7%で最も多く、「SNSでの集客」(38.5%)、「現場情報共有システムによる進捗共有」(18.6%)が上位を占めた。従業員数別で見ると、「オンラインでのお打合せ」の実施割合で「50名以上」が「10名未満」より20ポイント近く上回ったものの、それ以外の取り組みでは全体の傾向に大きな差は無かった。

図8 オンライン活用の取り組み内容【受注後】(MA)

図8 オンライン活用の取り組み内容【受注後】(MA)

オンライン活用は業務効率アップに期待もコミュニケーションが課題

オンライン活用のメリット、デメリットについてもそれぞれ聞いている。
メリットでは、「移動にかかる時間や労力が省ける」(81.3%)、「自身および社員・お客さまの感染症対策につながる」(55.7%)、「場所を選ばずお客さま対応ができる」(55.3%)の順に多く、感染症対策はもとより、オンラインの特性を生かした業務効率アップにかかわる項目が上位を占めた(図9)。
一方、デメリットでは「表情が伝わりづらく、意思疎通が難しい」(62.1%)、「実物確認ができない」(56.0%)、「雑談などがしづらく、関係構築が難しい」(53.8%)が上位を占め、オンラインでのコミュニケーションに難ありと回答(図10)。
業務効率アップの手段としてオンライン活用に期待を寄せる反面、リアルなコミュニケーションとの違いに課題を感じていることが回答からもうかがえる。

図9 オンライン活用のメリット(MA)

図9 オンライン活用のメリット(MA)

図10 オンライン活用のデメリット(MA)

図10 オンライン活用のデメリット(MA)

オンラインや各種ツールの活用意識の差~職種による違い~

今後の営業活動やお客さまとのコミュニケーションで新しく取り組みたい、もしくは改善しようと考えていることについて尋ねたところ、全体では「ホームページでの集客」が46.0%で最も多く、「SNSでの集客」(39.6%)、「オンライン個別商談・お打合せ」(36.7%)と続いた。

職種別で見ると、例えば「営業・販売」では他の職種に比べてホームページやSNS、動画を活用した集客に取り組む意向が強く、「インテリアコーディネート」では特にオンラインでの個別商談やオンラインツールの活用に積極的な傾向がうかがえるなど、職種によって各取り組みのポイント数に差が見られた。業務内容に合わせたオンライン活用や各種ツールの検討を進めたい意向が伺える(図11)。

図11 新しく取り組みたい、もしくは改善しようと考えていること(MA)

図11 新しく取り組みたい、もしくは改善しようと考えていること(MA)

感染症対策は従業員数が多い会社ほど手厚い傾向に

最後に、お打合せや施工立会いなど、お客さまと対面で接する際に講じている感染症対策について尋ねたところ、全体では「お客さまと距離を空けて接する」(60.5%)が最も多く、「打合せの時間や回数を減らす工夫をしている」(54.9%)、「対面する人数を最小限にする」(47.2%)と続いた。

従業員数別に対策内容を見ると、従業員数が増えるほど対策の実施内容が多岐にわたっており、例えば「アクリルパネル設置など飛沫防止対策をしている」では、「50名以上」と「10名以下」で40ポイント以上の開きがある他、「ホームページなどで自社の対策やお知らせを公開」、「お客さま対応マニュアルの策定」の割合も高くなっている(図12)。

図12 お客さまと対面で接する際に講じている感染症対策(MA)

図12 お客さまと対面で接する際に講じている感染症対策(MA)

【調査結果概要】

■新型コロナウイルスの業績への影響

「影響があった」が6割を超え、今後の受注が「減少見込み」も5割超。

■在宅ワークの実施状況

勤務先での実施割合は3割。個人では「全く実施していない」が5割超。

■受注活動におけるオンラインの活用状況

  • ・受注前・後にかかわらず「活用なし」(5割)が「活用あり」(4割)を上回る。
  • ・「活用なし」のうち、2~3割が「準備中・検討中」と回答、コロナ禍を機にオンライン活用の機運高まる。
  • ・受注前のオンライン活用は従業員規模により取り組み程度に差。
  • ・職種によって今後強化したい取り組みに内容に違いあり。

■オンライン活用のメリット・デメリット

業務効率向上に一定の効果を感じているが、オンラインコミュニケーションの難しさも露呈。

オンライン化やツール活用についてご意見・ご感想(FA)では、コミュニケーションや実物確認など、リアル・対面でしかできないこととのギャップをどのように解消するかなどに限界や課題を感じる一方、オンライン活用における業務効率化や可能性を前向きに受け入れるお声も多くあった。また、インフラ整備への不安、時間外の対応や工期遅れ、人材確保などについてもさまざまな課題が見受けられた。 今後、デジタルの良さを取り入れながら、従業員数や地域差、自社の状況や強みとあわせて、どのようにリアルとオンラインを組み合わせていくか、検討が進められていくと思われる。

<調査概要>
調査名:お客さまとのコミュニケーション方法と営業スタイルの変化についての意識調査
調査対象:「LIXILビジネス情報サイト」マイページ会員
設計、インテリアコーディネート、販売・営業に従事する方
有効回答数:942
調査期間:2021年1月8日~13日
調査方法:インターネット調査
調査実施機関:LIXIL

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公開日:2021年03月29日

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