JR西日本×LIXIL

DX化が進む大阪駅(うめきたエリア)で初導入された
「詰まり検知」がついたLIXILのあふれ防止IoTトイレ

大阪駅(うめきたエリア)構内
大阪駅(うめきたエリア)構内のサインはすべてデジタルサイネージになっており、天井も未来的なデザインに

参加者(敬称略)
下村 美月(西日本旅客鉄道株式会社 鉄道本部 イノベーション本部 ソリューション営業企画部 WEST LABO事業共創担当)
溝邉 弘(株式会社JR西日本メンテック 技術企画部 課長)
樋口 輝(株式会社JR西日本メンテック 駅事業部 主席)

あらゆる業界で人手不足が叫ばれて久しいが、特に清掃の現場では高齢化が進み、若い人の他分野への流出に歯止めがかからない。
JR西日本では30年前から駅のトイレ美化に力を入れ、清掃の世界にもDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用しながら業務の効率化を図り、今後のさらなる人材不足に備えようとしている。
2023年春に新しく開業した大阪駅(うめきたエリア)を実験場に、未来の駅に向けたイノベーションを起こそうと、外部企業と共同でさまざまな試みに挑戦する「JR WEST LABO」がスタート。その一つにLIXILのあふれ防止機能のあるIoTトイレの導入があり、清掃の負担軽減への実験が始まった。
JR西日本の新しい試み「JR WEST LABO」の活動と、清掃現場の声を参考に、未来の公共トイレの在り方を考えてみたい。

JR西日本が取り組んでいる「JR WEST LABO」について

下村美月氏(西日本旅客鉄道株式会社 鉄道本部 イノベーション本部 ソリューション営業企画部 WEST LABO事業共創担当)
下村美月氏(西日本旅客鉄道株式会社 鉄道本部 イノベーション本部 ソリューション営業企画部 WEST LABO事業共創担当)

下村氏:2023年にスタートしたJR西日本が取り組む「JR WEST LABO」は、同年3月の大阪駅(うめきたエリア)の開業に伴い、共創パートナー企業さまと、弊社の有形・無形のアセットをご活用いただきながら、新たなサービスやビジネスを生み出す実証実験の場として大阪駅(うめきたエリア)を提供するというものです。 立ち上げの経緯は、2020年に始まるコロナでした。コロナ禍で人の移動が激減し、同時に運輸収入も大幅減となりました。そこで運輸だけに頼らない、新しいビジネスを立ち上げることが必須となったのです。
スタートしてまだ1年ほどですが、駅構内でのデジタル美術館やコンサートなど、駅での新たな試みを実践し、お客様の反応なども検証しております。開催場所はうめきた地下口の改札近くにある「インタラクティブ空間」というスペースですが、「ここに来れば何かやっている」という場所にしていきたいと思っております。

JR大阪駅全景
JR大阪駅全景

駅の課題に技術で挑戦する

下村氏:「JR WEST LABO」に先立ち、2018年に「JR西日本技術ビジョン」を公表しました。これは、20年後の駅に求められるニーズを洗い出し、その実現に向けて技術面から模索するというものです。今回、大阪駅(うめきたエリア)では、そこで出された課題に挑戦しています。
その一つが、世界で初めてとなるフルスクリーンホームドアの導入です。これは車種によって車両ドアの位置が変わることから、ホームに設置されたホームドア自体を移動させるというものです。ホーム上部のデジタルサイネージでは、次に入る車両のドアの位置を示し、それに合わせてホームドアが移動します。見ているだけでわくわくする未来的な光景です。
もう一つは、顔認証改札です。定期券購入のお客様に限ってではありますが、あらかじめ顔の登録をしていただくことで、ICタッチ改札脇に設置された顔認証改札を利用できます。目の位置で認証するのでマスクをしていても問題なく通過できますが、サングラスをかけているとアラームが鳴って止められます。
顔登録していないお客様でもICタッチで利用可能になっているので、大きな荷物をお持ちの客様だけでなく、こちらを利用する方が非常に多くなっています。やはり通路幅が広く、ゲートレスのほうが使いやすいということが分かりますね。今後の改札の在り方が見えてきます。

左手が顔認証改札
左手が顔認証改札。定期券購入者があらかじめ顔を登録することで、何もかざすことなく通過できる
列車の車種に合わせてフルスクリーンホームドアがスライド移動する
列車の車種に合わせてフルスクリーンホームドアがスライド移動する。上部のデジタルサイネージで乗降ドアの位置が示される
「インタラクティブ空間」の壁面に映し出された大阪の水景映像
「インタラクティブ空間」の壁面に映し出された大阪の水景映像(写真/フォンテルノ)

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公開日:2024年03月25日