プレミスト有明ガーデンズ × LIXIL

普段の暮らしを楽しむ“大きな家”のような集合住宅

光井純、安部絵理香(光井純&アソシエーツ建築設計事務所)

——LIXILの現場から
【建築素材として潜在的な可能性を追求する】

プレミスト有明ガーデンズに採用いただいたグラディオスは、3000×1000mmサイズの大形・薄型のセラミックスタイルです。厚さで一番薄いのは3.5mmですが、今回は裏に落下防止の金物をつけているため6mmを採用しました。アプローチにグラディオスを施して重厚な雰囲気を表現されていましたが、ヨーロッパの最先端のデジタルプリント技術で釉薬を何層も重ねて掛けているため奥行き感があり、とてもプリントには見えないクオリティだと思います。
タイルは石と同じような原料を使い、そこにテクノロジーを加えてつくりあげているため耐久性もありますし、経年劣化もしません。そして、さまざまなデザインができるので形のバリエーションも豊富です。我々ももう少しセラミックスタイルの独自性というものを打ち出して、他にはない建築素材ということで価値を高めていかなくてはいけないと思います。そのためには、京都悠洛ホテル二条城別邸 Mギャラリーもそうですが、設計者の方から発想をいただけるのは非常にありがたいことです。テクニックは持っていますが、それをどう組み合わせて表現するかは難しいので、何かモチーフをいただければ、全くできないと考えていたものに取り組む機会が得られます。無理難題と思われることでも、とにかくやってみると瓢箪から駒みたいにできることがあります。チャレンジすることが重要で、やってみて可能性を感じて、その可能性の確立を高めて、ブラシュアップしていく。我々はそれを常にやっていかないといけません。そのためにも設計者の皆様には、タイルはこうだと決めつけずに自由に発想して、それを投げかけていただきたいと思います。

株式会社LIXIL
斎藤 徳久

独創性とデザイン性に優れた大形・薄型セラミックス「グラディオス」
独創性とデザイン性に優れた大形・薄型セラミックス「グラディオス」。プレミスト有明ガーデンズに採用された仕様はバサルト(moka)。深みのある石の流れ模様が特長で、品位ある空間を構成

プレミスト有明ガーデンズデータ

所在地 東京都江東区有明1-3-1
施主 大和ハウス工業株式会社(旧分譲会社)
設計・監理 株式会社長谷工コーポレーション
デザイン監修 外観・外構・共用部インテリア:光井純 アンド アソシエーツ 建築設計事務所 株式会社
施工 株式会社長谷工コーポレーション
延床面積 23,405.15m2
規模・構造 地上15階建て RC造/一部S造
用途 Residential
竣工 2020年2月
LIXIL使用商品 タイル:湿式二丁掛、乾式45二丁、乾式45二丁、グラディオス
〈品番〉
■エントランスロビーの壁(共用部ラウンジの壁)
FCT-2RGT/R168/220*60/S184N-7165M
■建物の外装
COM-355Z/NK2/S177N-7672M
COM-255/NK1/S170N-1367M
COM-255/NK1/S170N-1369M
COM-255/HR5/S171N-1392
COM-255/MC1/S185N-1320M
■アプローチ前のマンション入り口の壁(アプローチの壁)
GR-3100/BAS-5

取材・文/フォンテルノ 撮影/エスエス企画(人物撮影:シヲバラタク)

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公開日:2021年08月25日