LIXIL × Architects - 住宅編 Vol.01

トネリコ×SAMOS : M-HOUSE「アルミ樹脂複合サッシで大窓をつくる」

トネリコ(デザイン事務所)

住宅設備としての性能の高さ、工業製品としての精度の高さを活かして、
デザインに織り込む

リビングとしても使われている2階寝室。2.2mの高さにぐるりと鴨居をまわし、建具を入れている。半透明引き戸(左下)は両サイドの収納扉と引き違いになるため、逆転させれば遮光できる(左右)。 / 撮影:淺川 敏

2階の寝室は、連窓との間に吹き抜けを挟み、半透明の建具を入れています。この建具を開けると、両サイドの収納部分にぴったりと引き込まれる寸法で、この横幅にサッシ3枚分を均等に割り当ててグリッド枠の寸法を決め、縦方向にも適応しています。また、この半透明引き戸は収納の扉と入れ替え可能で、採光と遮光の切り替えを簡単にすることができます。さらに連窓上部に設けたロールスクリーンを組み合わせて使い、外からの光を自由自在にコントロール。コルクタイルとタタミで仕上げたこの2階は、吹き抜けが緩衝帯となって1階よりも外との距離間があり、居心地が良いために、リビングのように使われています。

外観夕景。ライトグレーの樹脂系塗り壁材を吹き付けた外壁に、黒いフレームの連窓が表情を与える。 / 撮影:淺川 敏
室内側FIX窓の納まり。窓の存在が消えるように、框を見せないディテールとなっている。 / 撮影:淺川 敏

「今回は窓に対する考え方を共感できる施工会社に恵まれたことも大きい」と米谷さんが振り返るように、納まりなどはイメージをスケッチで描いて伝え、室内側からはフレームが見えないディテールを実現。通常、窓の見込み部分には縁を回しますが、SAMOSは断熱性・気密性が高く、結露が起きにくいため、見付けからそのまま見込みまで、漆喰のような質感のクロスを巻き込んで仕上げています。竣工から2年が経ちましたが、窓まわりは雨だれ汚れなどもなく、美しい仕上がりのまま。
「風が強い日でも、以前の家のように土埃が入ってくることもなく、本当に静か」と住まい手が語るように、快適な暮らしを支えています。

【関連商品情報】

【建築概要】

M-HOUSE

所在地:
東京都台東区
用途地域:
商業地域
家族構成:
1人
意匠設計:
米谷ひろし/トネリコ
構造・規模:
木造・2階建て
構造設計:
鈴木晴之/大和工務店
敷地面積:
64.08m2
施工:
大和工務店
建築面積:
45.03m2
設計期間:
2012年2?9月
延床面積:
84.99m2
施工期間:
2012年8?12月

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公開日:2014年06月30日