INAXライブミュージアム10周年特別展「つくるガウディ」<Vol.4>

「完成!常滑ガウディ」─土とやきものタイルが共鳴する場

日置拓人(建築家)× 久住有生(左官職人)× 白石普(タイル職人)

『コンフォルト』2017 June No.156 掲載

左官の目が全体をまとめる

白石さんによるオリジナルタイルは3種。ツェルツ(右)、ルーザ(上)、アマーネ(奥)。

「白石さんのタイルの魅力がすばらしいので、最初は左官はフォローにまわりました。そのうちに白石さんの作業ペースも見えてきて、最後は同時並行でタイミングを合わせたからおもしろいものができた」と久住さん。照明デザイナー・村角千亜希さんに、タイルの美しさと土壁のやさしさを温かみのある光で生かしてとリクエスト。その思いを受けて、村角さんは美術館や舞台で使われる照明も取り入れた。
日置さんは「人の営みを包むのがデザインだから、会期中にお茶を飲む場にするとか、イベントなどに使われるとおもしろい」と語る。手探りで始まった3人のガウディへのアプローチが生んだ、新たな「土とやきものタイル」の世界。これは見逃したくない。

手前はアーモンド形の「ルーザ」を張った天井。白石さんの今回のテーマは3と7。タイルを割らずに、割り切れない素数で割りつけた。
ドームの内外が久住さんの細やかな感覚と高度な左官技術で塗り継がれている。

オープニングイベントでは伊東豊雄さんが特別講演
「完成! 常滑ガウディ」を訪れた建築家・伊東豊雄さん。
オープニングイベントの特別講演には伊東さんが登壇。
サグラダ・ファミリアの樹木のような柱が幾何学から生まれたことに学び、伊東さんが展開した5つのプロジェクトを語った。
コンペから10年9カ月を経て昨年(2016年9月)台湾にオープンした「台中メトロポリタンオペラハウス」はチューブ状の柱梁構造の連続曲面がおもしろく、オペラ空間という用途を超えて、多くの人を引きつけている。

取材・文/清水 潤 撮影/梶原 敏英

INAXライブミュージアム10周年特別展第2弾

「完成! 常滑ガウディ」

会期/2017年4月15日(土)~5月30日(火) ※展覧会終了
会場/「土・どろんこ館」企画展示室
総合アドバイザー/田中裕也(建築学博士)
制作/日置拓人(建築家)、久住有生(左官職人)、白石普(タイル職人)
会場デザイン/刈谷悠三+角田奈央(neucitora)
照明デザイン/村角千亜希(スパンコール)

INAXライブミュージアム
愛知県常滑市奥栄町1-130_tel 0569-34-8282
開館/10:00~17:00(入館~16:30)
休館日/毎週水曜日(祝日の場合は開館)と年末年始
共通入館料/一般600、高・大学生400、小・中学生200
https://livingculture.lixil.com/ilm/
※INAXライブミュージアムは(株)LIXILが運営する文化施設です。


『つくるガウディ』 2分冊ケース入りB5判
本体2,500  LIXIL出版刊
「完成! 常滑ガウディ」と同時出版。
田中裕也さんによる手描きの実測ドローイングからガウディを読み解く「実測図ノート」、日置さん、久住さん、白石さんが制作過程で考えていたことが、写真と詳細なコメントからわかる「制作ノート」の2冊から成る。

雑誌記事転載
『コンフォルト』2017 June No.156掲載
https://www.kskpub.com/book/b479879.html

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公開日:2017年10月30日