心を休める「ウェルビーイングトイレ」に改修された
市庁舎のトイレ
──イネーブリングシティの実現を目指して(愛知県蒲郡市)
トイレのコンセプト「心身を整えるトイレ」について
改修前のアンケート結果を踏まえ、LIXIL が提案したテーマは「心身を整えるトイレ」。公共トイレで実現できるウェルビーイングの要素として、音漏れや視線カット、におい対策のための器具提案を行い、合わせて平面レイアウトも提案している。
提案内容を見た改修チームのメンバーからは「スタイリングコーナーがあること、各個室(大便器ブース)の中に手洗いと鏡があり共用部に行かずに用が足せること、小便器に仕切りがあることが新しい提案だと思いました。トイレに排泄以外の付加価値が提案され、プライバシーへの配慮も重視されていると感じました。また、内装の一部にエコカラットが使用され、においや調湿効果も期待できるので、ぜひ採用したいと思いました」との意見が出された。
その後、スタイリングコーナーや姿見を設置することで身なりを整え、各個室(大便器ブース)の間仕切を天井まで立上げ、各小便器に間仕切りを設置することで人目を気にせず、心を休ませることができる空間を目指し検討が進められた。
最終プランは、各個室(大便器ブース)にテーマを持たせた空間としている。「Relax」「Art」「Refresh(女性トイレのみ)」の3タイプで内装デザイン、カラー、照明の色温度を変えて設えている。
多くの要素が盛り込まれた今回のトイレ改修は令和7年12月に完成。改修後のアンケートでは使用感についての興味深い結果が示されている。(本稿最後に掲載)
改修前のトイレと最終プランまでの流れ

改修前のレイアウト
改修チームにより、男性トイレと女性トイレの位置を入れ替え、給湯室も縮小する計画で進められた

LIXILが提案したレイアウトプラン
ウェルビーイングのコンセプトから、個室内に洗面を設ける代わりに共用の手洗いを最小数にしている

最終レイアウトプラン(蒲郡市作成)
大便ブースにテーマ「Relax」「Art」「Refresh」を持たせ、それぞれに内装デザインを設えた。「ウェルビーイング」のコンセプトや、事前のアンケートで出された要望を重視し、スタイリングコーナーや荷物台、フックを充実させた


模型(蒲郡市制作:市役所本館2階トイレエリアの1/20の模型をつくり、プロジェクト関係者で情報を共有しながら検討を繰り返した(2点とも)


男性トイレ:(写真左)ビジネスバッグなどの大きめの荷物がおける台が付いている。(写真右)手前右はスタイリングコーナー


男性用トイレ:(写真左)各個室(大便器ブース)「Relax」は、落ち着いた内装デザインで照度も落としている。(写真右)内装壁はエコカラットプラスを使用し、臭いを吸着する。天井までの間仕切りを設置し、視線をカット


女性用トイレ:(写真左)洗面エリアの壁には調湿機能のあるエコカラットプラスを採用。(写真右)バック照明付き鏡が陰影を引き立て、高級感を演出


男性用トイレ:(写真左)各個室(大便器ブース)「Art」は、壁面に幾何学柄を組み合わせたデザインのエコカラット セルフを採用。(写真右)子ども連れで来庁する男性向けに個室内にベビーキープを設けている。アンケートでも男性が気になる1位がトイレの臭いだったことから、脱臭機能付きの便座を取り入れている



女性トイレ:スタイリングコーナーはカーペット敷きの小上がりにし、着替えや身繕いの際に衣類が汚れないよう配慮している。着替えの他、休憩の際も人目を気にせず利用できるよう、入口にロールスクリーンを設置(3点とも)

女性用トイレ:各個室(大便器ブース)「Refresh」は、明るめの内装デザインに。天井まで立ち上げた壁と擬音装置で音漏れを軽減し、要望の多かった化粧ポーチの置ける棚や便座クリーナーを設置している。ブース内壁には臭いを軽減するエコカラットプラスを施工(男女共通)


女性用トイレ:(写真左)各個室(大便器ブース)「Art」は、壁面にダリアをモチーフとしたエコカラット セルフを採用。(写真右)子ども連れの方の荷物が多いことから、ベビーキープのあるブースの壁には荷物をおける棚やフックなどを設けている
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公開日:2026年03月19日

