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窓設計が「上手くいく人、いかない人」 決定的な差!
最適な窓選び 最新版!
株式会社松尾設計室 一級建築士設計事務所 代表
松尾和也 氏
プロフィール
株式会社プロホーム・大台 代表取締役
神戸中年則 氏
プロフィール
株式会社LIXIL LIXIL Housing Technology(LHT)
サッシ・ドア事業部 サッシ・ドア商品戦略部 プロモーション企画G GL 柳通 一晴
まずプロホーム・大台(三重県大紀町)社長の神戸中年則さんが、自社のモデルハウスを例に窓の選び方や設計のポイントを紹介した。同社が標準採用しているサッシはLIXILのTW(高性能樹脂アルミ複合構造)・ペアガラス及びトリプルガラス仕様。神戸中さんはTWの「高性能なのに枠が薄く、室内からほとんど見えない点にほれ込んでいる」という。モデルハウスでは、TWの枠の薄さを生かして抜け感を演出する、松尾さんの指導で帆立をずらして美しい眺望を確保する、といった工夫を凝らしている。商談の場となるダイニングでは「お客様がよく“奥の窓から見える景色がきれい”と言ってくれる」。
続いて、松尾設計室(兵庫県明石市)・松尾和也さんが、窓を中心に、自身の設計メソッドを披露。性能面では「5〜7地域はTWもしくはEW、1〜4地域はEWを選ぶ」。かつ「南面は構造が許す限り窓を大きくし、庇かスタイルシェードをつけてガラスは断熱Low-Eにする。東西北面は1部屋1面につき0.5u以内にして遮熱Low-Eガラスを使う」のが原則だ。
また美しさのためには「ノイズを減らす」ことが重要。そのためのセオリーとして「窓の中心に帆立がこないようにする」、「室内から見て、窓はなるべく端に配置する」、「外から見て窓の位置をそろえる」といったポイントを紹介した。一方で「価格が上昇する中、窓を小さくしてコストを削ろうとする人もいるが、快適さが損なわれるなどその不利益は大きい。他の部分でコストを抑えてほしい」など、最近の潮流に対する警鐘も鳴らした。
後半のディスカッションでは、LIXILの柳通一晴さんが加わった。「気密性を高めるために必要な調整とは何か」(松尾さん)、「モデルハウスを建てた際も、調整しなかったら思ったように気密が取れなかった」(神戸中さん)という実務者目線の疑問と意見に対し、TWの構造は「戸先の部品が気密材を押し付ける構造になっている」と説明。「実際に施工した際、このアクションが再現されるように建付けの調整が必要」だとした。EW(樹脂サッシ)の設計思想との違いも解説した。
記事提供:新建ハウジング(2024年12月10日発行号掲載)
松尾和也 氏
株式会社松尾設計室 一級建築士設計事務所 代表
1975年 兵庫県出身。1998年 九州大学工学部建築学科卒業。2005年「サスティナブル住宅賞」受賞。「健康で快適な省エネ建築を経済的に実現する」ことをモットーにしている。設計活動の他、住宅専門紙への連載や「断熱」「省エネ」に関する講演も行なっており、受講した設計事務所、工務店等は延べ6000社を超える。2020年からはYouTubeにも取り組みチャンネル登録者数は6万人を超えている。
神戸中年則 氏
株式会社プロホーム・大台 代表取締役
三重県内で、年間24棟限定で内外装オール塗り壁、フルオーダーのキッチンや洗面台を標準仕様とする高断熱住宅を提供する会社を経営。スペイン塗り壁材「ESTUCOWALL」の販売やYouTube「プロホームチャンネル」の運用も精力的に行っている。