2020/09/25

いまだ世界的に収束が見えない新型コロナウイルス感染症の拡大。
ただ国内では政府主導の「Go To トラベル」事業が開始され、国内旅行の需要は少しずつ回復傾向に。
同時に“ワーケーション”や“ステイケーション”等、宿泊・滞在の新しいスタイルが生まれる今、
ゲストの多彩なニーズに対応できる浴室空間づくりがポイントとなります。

“ワーケーション”や“ステイケーション”など、
ゲストの宿泊・滞在スタイルが多様化

2020年8月現在、市中感染の拡大が懸念されるなど、まだまだ深刻なコロナショック。ただ、政府による国内旅行振興を目的とした「Go To トラベル」事業が7月22日より前倒しで開始されるなど、国内旅行客の需要は、今後徐々に回復していくことが予想されます。

またコロナで出張を自粛する企業が多い半面、テレワークの普及に伴うホテルのオフィス利用をはじめ、休暇先に長期滞在し仕事をする“ワーケーション”、近場のホテルでゆっくりと休暇を過ごす“ステイケーション”等、働き方・休み方の変化から新たな宿泊・滞在スタイルが広がりつつあります。

そんな中、旅行・観光業界全体で、新しい宿泊・滞在スタイルの需要を取り込むための取り組みが活性化しています。旅行会社や宿泊予約サービス、ホテルが一体となって推進するデイユース利用のテレワーク応援プランやオフィスとして利用しやすい長期滞在向けの割引プラン。また、社員に率先して“ワーケーション”を推進する企業やホテルをサテライトオフィスに利用する企業も登場しています。

旅行客・ビジネス利用客を問わず、
日本人ゲストに共通している「◯◯ニーズ」とは?

宿泊・滞在スタイルが多様化する今、これまで以上に際立つのがゲストへのきめ細かく丁寧な対応、ホスピタリティです。「ゲストを迎えるために何をすべきか?」徹底した衛生管理と3密回避の対策はもちろん、多様なゲストの想いに応え、施設内や客室内でより快適に時間を過ごしていただくための工夫が大切になります。

中でも、お客様の多くが重視すると言われているのが、客室の水まわり。LIXILが行った宿泊施設に関する調査では、浴室やトイレ、洗面などの水まわりを重視する声が多く、逆に設備の古さ等の理由が施設全体の評価を下げていることもわかりました。

水まわり設備について嫌だった体験

女性30代 水まわりが老朽化していると、だいぶ印象が落ちる。
女性50代 水まわりと客室ドアに段差がありつまずきそうになった。
女性60代 トイレが身動きできないほど狭いところがある。若い人はいいかもしれないが、しんどい。
女性50代 掃除はしてあるのだが、浴槽まわりのタイルの古さが気持ちいいものではない。
男性30代 朝、シャワーを浴びるので洗面台の鏡が曇るとヒゲが剃りにくくて困る。
女性50代 おしゃれなデザインで、メイク道具や歯ブラシを置くスペースが小さい。
女性30代 温水洗浄暖房便座がなかったこと。
男性70代 お風呂の給排水の遅いところはダメ。
女性30代 ユニットバスで着替えを置く場所がない時は本当に困ります。どうしたらいいのと思う。
男性60代 部屋は広くてベッドが大きかったが、浴室に脱衣スペースがなく、脱いだ衣類を置くスペースもなく、部屋で脱衣して裸で浴室に行った。
女性20代 連泊したときに浴室に物干しロープがなくて、洗濯物を干す場所に困った。シャワーの水圧が弱かったり、トイレの暖房便座がないのもイヤ。恋人との旅行は気を遣うので流水音が流れる機能が欲しい。
男性70代 水まわりだけは清潔で使いやすいものがいい。洗面台周辺は使い勝手が悪いところがある。
男性30代 創業から時間が経っているからか、あちこち修繕したあとが残っているのは見たいものではない。施設内は古さを活かしてもいいと思うが、水まわりはさすがに改装すべきと思う。

さらに入浴する習慣のある日本人ゲストからは、客室のバスルームでも「湯船につかりたい(=入浴したい)」というニーズが約9割を占める結果が出ています。国内旅行客をはじめ、ビジネス利用で長期滞在する方にとって、湯船に浸かってゆっくりと入浴し、リラックスできるバスルームがあることは、お客様の満足度アップに直結すると言えるのではないでしょうか。

LIXIL「宿泊施設に関する調査 2017」

※LIXIL「宿泊施設に関する調査 2017」

多様なゲストの、多様なニーズに応えられる水まわりへ。
リフォームによる“アウトベイシン”化が注目されています。

また、多くのホテルに採用されている3in1タイプ(ひとつの空間にバス・トイレ・洗面を設置)のユニットバスは、お客様にとって「使いづらい」とイメージされている調査結果があります。主な理由としては、同時にバスとトイレ・洗面が使いづらい点、水はねやシャワーカーテンが不快という点、またヘアメイクや着替えがしづらいといったスペースの問題など、様々です。

3in1ユニットバスへのお客様のお声(抜粋)

LIXIL「宿泊施設に関する調査 2017」

※LIXIL「宿泊施設に関する調査 2017」

そこで注目されているのが、アウトベイシン(洗面とトイレを浴室から独立させた)スタイルです。同時に浴室やトイレ・洗面が使いやすく、かつ、シャワーも浴槽も快適に利用可能。居室空間に合わせて、壁や床などの多彩なコーディネート&自由なレイアウト設計ができることも、お客様が快適に過ごすための魅力的な空間づくりに貢献します。

アウトベイシンスタイル
3つのメリット(WET×DRY)

1 シャワーも浴槽も
快適に利用可能

止水ドアで区切りシャワー利用が快適に。ゆったり入浴できる浴槽も完備

2 同行者が浴室利用時も
トイレ・洗面の利用OK

浴室からトイレ・洗面が独立していることで、同行者に気兼ねなく利用可能

3 居室空間に合わせた
多彩なプラン設計

客室空間に合わせて自由にレイアウト、多彩なアイテムでスタイリング可能

いかがでしたでしょうか。
コロナの影響で宿泊・滞在スタイルやホテルに求められる価値が多様化する中、
お客様の満足度、ホテル選びに直結する客室の水まわり空間。
リフォームでの“アウトベイシン”化が、これからのホテルの価値創出につながるかもしれません。