2021/07/25

LIXILでは、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、
国内ホテル・施設の宿泊状況/利用ニーズの実態を把握すべく、インターネット調査を実施しました。
前回に引き続き、その調査結果を第2弾レポートとしてお届けするとともに、
注目すべきお客様の宿泊ニーズ等を紹介してまいります。

<ホテルに関する調査 概要>

  • インターネット定量調査
  • 対象者:男女20〜79歳(全国)
  • 対象者数:スクリーニング回収数10,000ss、本調査600ss
  • 調査日:2021年3月11日〜3月15日

約8割のお客様が、「浴槽」と「シャワー・洗い場」が分かれている浴室で、
さらにトイレ・洗面が別のタイプを希望。

【図1】は希望する「客室内の浴室」タイプについて伺ったものですが、約8割の方が浴槽とシャワー・洗い場が別の浴室で、さらにトイレ・洗面がわかれているタイプを選んでいることがわかりました。前回のレポートでもご紹介した通り、同伴者がいる場合に気兼ねなく浴室やトイレを利用できることが、この結果につながっていると考えられます。

【図1】好ましい「客室内の浴室」タイプについて

【図2】は「客室内の水まわりの設備」に対する意識を伺ったものです。ここでも「浴室は浴槽つき」「浴室とトイレ・洗面は別」という意見が圧倒的に多い結果となっています。特に「部屋が狭くてもトイレは浴室とは別の空間」を望む方が大半という結果からも、ホテル選びの際に、水まわりの使い勝手を重視されるお客様が多いことがわかります。

【図2】「客室内の水まわりの設備」に対する意識

次に、水まわりの利用意向として、浴室とトイレ、洗面それぞれで「あると良い」機能や設備についても伺いました。

まず、浴室においては「浴槽」「自動で湯はりができる浴槽」が1位、2位を占め、前回同様、湯船に浸かりたいという意向が強いことがわかります。また、「多機能シャワー」「肩湯やマッサージ機能付きの浴槽」なども上位に入っており、客室でのバスタイムにおけるこだわり志向の高さがわかります。

水まわりにあると良い機能・設備 TOP5
(複数回答可)

    <浴室>

  • 1位 浴槽(54%)
  • 2位 自動で湯はりができる浴槽(50.5%)
  • 3位 鏡のくもり止め機能(43.3%)
  • 4位 多機能シャワー(40.2%)
  • 5位 タオル棚(38.2%)

    <トイレ>

  • 1位 脱臭機能(71.3%)
  • 2位 暖房便座(67.7%)
  • 3位 抗菌機能(65.7%)
  • 4位 空間除菌脱臭機(52.6%)
  • 5位 シャワー機能(51.0%)

    <洗面>

  • 1位 温水が使える(70.7%)
  • 2位 タオル掛け(61.7%)
  • 3位 脱衣所に衣類を置くスペース(56.8%)
  • 4位 センサーに手をかざすだけで、吐水・止水ができる水栓機能(53.5%)
  • 5位 鏡のくもり止め機能(51.5%)

トイレにおいては、同伴者への配慮として「脱臭機能」が1位。またコロナ禍における意識の変化として、「抗菌機能」「空間除菌脱臭機」などの意向が高く、衛生意識の高まりがここでも見てとれます。

洗面においては、2位「タオル掛け」3位「脱衣所に衣類を置くスペース」といった使い勝手におけるご要望の多さがわかります。コロナ禍で期待するものとしては、4位の自動水栓機能が挙げられており、トイレ同様に感染予防意識の高さを表している状況です。

3in1タイプ浴室への不満は
「狭くて使いにくい」「トイレが近く不衛生」

続いて、浴室・洗面所・トイレが1つにまとまっているタイプの浴室について、お客様がどんなイメージを抱いているか伺いました(図3)。

3in1ユニットバス

「1人で利用するなら良い」というポジティブな評価がある一方、「狭くて使いにくい」「入浴すると床が濡れて使いにくい」「同行者が使っていると使いにくい」等のネガティブな意見が多く目立ちました。前回お伝えした調査結果でも「配偶者」「子ども」「友人」等、特にプライベート利用時に同伴者がいるケースが大半を占めるため、多くの方が3in1タイプ浴室の使い勝手に対し、ネガティブな印象をお持ちのようです。性別で見ると、その傾向は女性の方が男性より顕著に見られるのもポイントです。

【図3】3in1タイプ浴室の評価

また、「トイレが近く不衛生に感じる」という声も多かったことから、コロナ禍における衛生面の観点からも、敬遠されやすいことがわかります。

「ゆっくり入浴できる」「トイレが別で衛生的」
お客様に評価されているアウトベイシンスタイル

最後に、浴室と洗面・トイレがわかれているタイプ「アウトベイシン」への評価を伺いました(図4)。「ゆっくり入浴ができる」「入浴後の床濡れを気にしなくていい」といった使い勝手の高評価から、「同行者がいるときに良い」「同行者が入浴中でも洗面化粧台やトイレが利用できる」といった複数人での宿泊シーンを想定したポジティブな意見が多くありました。

【図4】アウトベイシンの評価

また「トイレが別なので衛生的である」というお声が全体2位ということで、コロナ禍でのお客様ニーズにも対応していることがわかります。

いかがでしたでしょうか。
コロナの影響で大きく変化した国内ホテル・施設の宿泊状況やお客様ニーズ。
特に、客室に求められる「浴室とトイレ・洗面が別」や使い勝手、衛生面において、
“アウトベイシン”スタイルへの対応が、今後のホテル経営・運営のポイントになるかもしれません。

全3回でお届け予定の「最新調査レポート」、
最終回の次回は浴室や水まわり設備に対する実際の声をご紹介します。