“キッチンで暮らす”施工事例コンテスト 結果発表
LIXILは住空間と調和するデザインや新たな機能の開発を通じて、“毎日の暮らしをキッチンから変えていく”取り組み活動をさらに発展させ、より多くのエンドユーザーさま、プロユーザーさまに「キッチンの新しい在り方」を提示するため、「“キッチンで暮らす”施工事例コンテスト」を、住まいに関する世界最大のWEBプラットフォーム“Houzz”にて開催いたしました。
金賞
PUDDLE Inc
建築士・建築家
総評コメント
キッチンは今や、料理を作る作業場として家の隅のほうにおかれるのではなくて、生活の真ん中に出てきて、料理することも食事をすることも楽しい場になりつつあります。料理をすることを生活の中心におくことが面白い、そういう時代になってきています。そういう意味で、この作品はそれを非常にこなれた感じで実現しています。ありがちな、キッチンというソリッドなプロダクトがいきなり置かれてしまっているという印象がなく、キッチンが生活と融合している感じが伝わってきます。建築家の設計だけでなく、ここに暮らしている人の生活意欲も伝わってきて、インテリアもふくめてすべて、自分たちで考えて配置していると感じました。食器が露出していたり、椅子が1つずつちがっていたり、衣服を見せて収納していたりと、暮らす人の住宅リテラシーの高さが自然に感じられますし、それでいて嫌味がまったくありません。心から「感じのいい空間」だと思います。
撮影:筒井義昭
審査委員長 原研哉氏
グラフィックデザイナー
総評コメント
最初に、質感に惹かれました。ワイルドな質感の梁に対して、キッチンはグレーで静かな質感。そのコントラストがとても面白いし、グレーの無機質な部分にカラフルなモノがならんでいて、とてもセンスがいいと思いました。たとえば洋服にしても雑貨にしても、トーンを揃えてコーディネートするのは意外と簡単なのですが、まったく違うものを混在させて素敵に見せるというのはなかなか難しいこと。このキッチンは、いろいろな要素が入っているのに、全体をとても上手に整えています。とてもいい「抜け」のある空間に、キッチンがさりげなく、でも象徴的に存在していて、暮らす人がキッチンでの時間をとてもおおらかに楽しんでいる感じが伝わってきました。
審査委員 柴田文江氏
プロダクトデザイナー
総評コメント
最近「センスがいい」ということが大切だと思っています。センスは形がないものでわかりにくいのですが、これからの時代はセンスが必要になってくると思っていますし、「センスがいい」とはどういうことかに興味があります。そんななかで、ぱっとみたときに、「この作品はとてもセンスがいいな」と思いました。そのよさは何なのだろうかと読み解いていくと、色味だとか物の従え方に目が留まります。「センスのよさ」にはいろいろなものを隠してきれいにつくっていくという「削ぎ落とす洗練の美しさ」と、「モノがそこにある洗練の美しさ」があると思います。今まで、後者はあまり表立って注目されてきませんでしたが、今はそういうことが大事な気がします。そして、この作品では、それがきちんと成り立っていると思いました。
審査委員 谷尻誠氏
建築家