住宅所有意向/住みたい家とインテリア(第1回)

20代30代の家所有意向/住みたい家(調査編)

日経BPコンサルティング × LIXIL

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自動車、自転車のシェアリングサービス、家具や家電のサブスクリプションサービスが拡大し、耐久消費財への所有意向が薄れていると言われる現在の20代、30代の住宅に対する所有意向は実際どうなのだろうか。そのような20代、30代男女の既婚者・未婚者に対して、住まいとなる住宅の所有意向、また住まい/住居へのこだわりについて調査した。

全体の約7割、既婚者では約8割に住宅所有意向あり

最近の20代30代を中心とした若い人たちに見られる傾向として、「消費や所有への関心が薄い」ことが挙げられるが、今回の調査での住宅に対する所有意向(「所有したい」+「どちらかというと所有したい」)は67.8%となった。既婚者では79.6%に所有意向があり、特に「所有したい」と回答した人は52.9%と過半数を占め、既婚者の住宅所有意向が高いことがわかる。未婚者では既婚者より低いものの、56.1%が所有意向を示した(図1)。

この住宅所有意向を地域別にみると、地方都市での住宅所有意向により高い傾向がみられた。たとえば、所有意向(「所有したい」+「どちらかというと所有したい」)について、東京都での57.5%に対し、福岡県は81.6%と8割を超える。大都市と地方都市との土地価格差による住宅購入価格への影響のためか、地域によって住宅所有意向は異なる(図2)。

図1  20代30代の住宅所有意向(SA)

図2  地域別で見た20代30代の住宅所有意向(SA)

住みたい家は「新築戸建住宅」が最も多く45.6%が選択

20代30代の住みたい家の種類は、「新築戸建住宅」が最も多く45.6%が選択している。既婚者では56.0%の過半数が「新築戸建住宅」を選び、新築の戸建住宅に住むことへのあこがれを持っていることがうかがえる。未婚者でも35.2%が「新築戸建住宅」を選択している。

一方、既婚・未婚とも「新築マンション」の選択率は低く、いずれも1割程度となった。未婚では「家を持つよりも賃貸住宅がいい」の選択率が16.7%で「新築マンション」よりも高い結果となった(図3)。

次に、住みたい家の種類を地域別にすると顕著な特徴がみられた。東京都、大阪府、愛知県、福岡県の大都市圏をみると、愛知県、福岡県の地方都市の方が「新築戸建住宅」に住みたいと考えている傾向にある。東京都では、「新築戸建住宅」が24.2%と、全体の45.6%と比べ20ポイント以上低い。対して、愛知県では50.0%、福岡県では55.1%と、それぞれ半数以上が「新築戸建て住宅」を選択した。

全体で11.6%と選択率の低かった「新築マンション」に関しては、東京都で16.7%、大阪府で17.9%と全体より5ポイント以上高い。また東京都では「家を持つよりも賃貸住宅がいい」を選択した人も18.9%と高い(図4)。これらには、大都市圏の地価、理想とする立地、マンション・賃貸住宅の供給量の影響があると考えられる。

図3  20代30代が住みたい家の種類(SA)

図4  地域別で見た20代30代が住みたい家の種類(SA)

「自分の思い描く家を注文住宅で実現したい」のは約3割

住宅購入の際の家の選定・購入形態について聞いたところ、「自分の思い描く家を注文住宅で実現したい」が29.1%となり、全体の約3割に、自分の思い描く家を持ちたいという想いがあるといえる。続く「完成した戸建住宅を見て選びたい」は22.6%となり、出来上がった空間を直接確認して選びたい意向も少なくない。

新築戸建に住みたい人に限定してみても、「自分の思い描く家を注文住宅で実現したい」は51.6%を占め、「完成した戸建住宅を見て選びたい」の33.3%を上回る。新築戸建住宅に住みたい人の半数程度は自分の思いを反映させた家を作りたいと考えていることがわかる(図5)。

図5  20代30代が描く住宅の選定/購入形態(SA)

思い描くのは「ゆったりと過ごせる広いリビング」。既婚者は家族の空間をより重視

住まい選定の際にどのような暮らし方、すごし方を思い描いているのかということに対し、「家族がゆったりと過ごせる広いリビング」を選んだ人が全体の50.8%を占める。特に既婚者では、突出して高く62.0%が選択、未婚の39.5%とは20ポイント以上の差がある。既婚者の選択率2番目は「共働きでも家事や子育てがしやすい」で38.8%が選択、次いで「家族が料理に参加しやすいキッチン」が36.0%と、住まいの選定において、家族の空間を重視する傾向がみえる。

未婚者では「趣味に専念できる空間」が40.5%、「ひとりになれる書斎やワークスペース」が40.3%と、おひとりさま空間が上位になったが、既婚でも5番目に「ひとりになれる書斎やワークスペース」が選ばれ、家族との暮らしにおいても、ひとりになれるスペースが望まれている様子がうかがえる(表1)。

表1  住まい選定時に考える暮らし方/すごし方(MA:上位5項目)(%)

収納・断熱性能・光熱費…暮らしやすさをしっかり考慮

住まい選定時に考慮することとして、全体の48.6%が「収納が使いやすく充実している」を選択してトップとなった。既婚者では54.8%、未婚者でも42.5%が選択している。既婚・未婚に関わらず、多数の人が片付かない部屋にストレスを感じ、すっきりと暮らしたいと望むなか、収納の使いやすさは住まい選定時の重点ポイントと言える。

既婚者において、次に多いのは、「冬暖かく夏は涼しい断熱性能のいい家」で50.3%、3番目に「光熱費が節約できるエコな家」となり、エネルギー効率などの住宅性能の高さが求められていることがわかる。続いて、「子供に目を配りやすい」が46.5%、「家事動線が短く。家事がしやすい」が45.8%と育児や家事のしやすさを考慮したい意向がうかがえる(表2)。

表2  住まい選定時に考慮すること(MA:上位5項目)(%)

ニーズ高まる「宅配ボックス」、定番の「温水洗浄便座」「浴室換気乾燥機」

新居に住む際に最も取り入れたいものは「温水洗浄便座」で、既婚未婚問わずニーズが高く、今では新築住居の多くに設置されている。本調査結果で、注目されるのは、「宅配ボックス」のニーズの高さである。未婚者、既婚者とも同率の32.8%の人が「宅配ボックス」を選択している(表3)。

未婚者は、不在時の宅配便の受け取りに必要と考える人が多い。既婚者でも共働きの増加の影響で、在宅時間が減少していることもあり、宅配ボックスのニーズは今後さらに高まると考えられる。ネットショッピングなどの利用が高まり、宅配でのものの受け渡しが拡大してきたことも、宅配ボックスのニーズが高まってきた一因といえるだろう。

既婚者では「宅配ボックス」より上位に「浴室換気乾燥機」、「食洗機」といった洗濯や食事の後片付けなどの時短家事につながるものが多く選ばれ家事をサポートする設備を重視している傾向がみられる。

表3  新居に住む際に取り入れたいもの(MA:上位8項目)(%)

[調査結果概要]

■住宅の所有・住みたい家の種類

  • 住宅に対する所有意向は全体で約7割。既婚者の所有意向は8割で、「所有したい」と回答した人は過半数を占める
  • 住みたい家の種類は「新築戸建住宅」が最も多く45.6%が選択。既婚者のみでも過半数が選択
  • 住宅の所有意向・新築戸建住宅志向には地域差があり、どちらも大都市圏に比べ地方都市で高い傾向

■購入時の家の選び方

  • 「自分の思い描く家を注文住宅で実現したい」が最も多く全体の3割。新築戸建に住みたい人に限定すると5割が選択。 一方「完成した戸建住宅を見て選びたい」も一定数存在する

■住宅購入・選定の際に考慮したいこと

  • 思い描くすごし方・暮らし方について、既婚者では「家族がゆったりと過ごせる広いリビング」「共働きでも家事や子育てがしやすい」、未婚者では「趣味に専念できる空間」「一人になれる書斎やワークスペース」が上位となった
  • 考慮することの1位は「収納が使いやすく充実している」、続いて「断熱性能のいい家」、「光熱費の節約ができる家」が選ばれた
  • 最も取り入れたいものの1位は「温水洗浄便座」、2位が「浴室換気乾燥機」。3位の「宅配ボックス」のニーズも高く、未婚者、既婚者とも同率の32.8%が「宅配ボックス」を選択

今回の調査では、地域により違いがあるものの、20代30代の住宅購入意向は高く、また自分の理想の戸建てを建てたいと考えている人が多かった。魅力ある間取りのマンションや賃貸住宅、中古の戸建てやマンションのリノベーションなど購入者の選択肢が広がるなか、住宅性能や家族の暮らしやすさ、デザインの好みなど20代・30代のニーズに応えた住宅を提供していくことがますます重要となってくるだろう。

<調査概要>

調査名 20代30代の住まいに関する調査
調査対象 全国の20〜30代男女
有効回答数 第1回:960ss、第2回:800ss
調査期間 第1回:2019年3月7日(木)〜2019年3月10日(日)
第2回:2019年12月11日(水)〜2019年12月16日(月)
調査方法 インターネット調査
調査実施機関 LIXIL、日経BPコンサルティング

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公開日:2020年03月23日

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