デザイナーの視線から見えた多様な課題に応える
トイレデザインの可能性

上垣内泰輔(デザイナー)× 大野力(建築家)× 石原雄太(LIXIL)

『商店建築』2016年11月号 掲載

  • facebook
  • twitter

設備から考えるパブリックトイレのあり方
NEW PUBLIC TOILET HL

テーマは「人間の、かたち。」

パブリックトイレに求められるトータルな空間プランニングについて、時代に合わせた提案をしてきたLIXILが、新たなコンセプト「NEWPUBLIC TOILET HL」を展開する。人が近寄りやすいデザインを軸に形状を一から見直し、壁掛便器やセンサー一体形ストール小便器、マーベリイナカウンター/シェルフ一体タイプ、多機能トイレパックの4商品を発売している。
壁掛便器は、床置きにはできない「足元空間」を確保。 凹凸のないデザインで掃除がしやすいだけでなく、車椅子でも近づきやすい形状を追求している。センサー一体形ストール小便器は、子供から大人まで使える低リップ設計とし、LIXIL(INAX)が90年代からこだわってきた小便器の特長である「大きなタレ受け」、「目かくし」、「近づきやすさ」を継承した。また、新開発の超音波センサーによる人の検知は、従来の赤外線のセンサー窓が不要となり、スッキリしたデザインを可能としている。これらの便器で使用されている衛生陶器は、国際規格に準拠した抗菌効果を保証する“SIAAマーク”を表示し、清潔で衛生的なトイレ空間を演出する。

マーベリイナカウンターは、ボウル、カウンター、シェルフを一体成形で制作。継ぎ目をなくしたカウンターは汚れがたまりにくく、手入れをしやすい構造となっている。また、カウンターに荷物の置けるゆったりとした空間を確保することで、ドライ・ウエット分離と手の洗いやすさを実現した。
それぞれのデザインは、ゆったりとした使用感を感じられるよう曲線、曲面で構成され、使いやすさや機能美に配慮している。またインテリアに調和するデザインを求めて、最適な形になるよう考察し、無駄な要素を排除している。「人」への思いを形にした、「人」に寄り添うパブリックトイレコンセプト「NEW PUBLIC TOILETHL」を具現化するデザインとなっている。

このコラムの関連キーワード

公開日:2017年05月31日

  • facebook
  • twitter