なんばパークス サウス
TILE
タイル
2つのホテルとオフィスビル3つの施設で構成される大阪「なんばパークス サウス」。外装は低層部全体に統一した特徴的なタイルを採用。
建築物の低層部には多彩な色合いに変化する酸素を排除して焼成したやきもの特性を持つ「還元焼成タイル」を採用。周辺環境との調和を考慮し、近隣の「なんばパークス」の色味からインスパイアされたオレンジ色や黄色味のタイルを組み合わせて使用された。大地や地層のイメージに基づき、横向きに積み重ねられ、自然界のばらつきを表現するために複数色を使い、タイルの厚みや仕上による凹凸で地層を表現。3棟の建物低層部に共通したデザインとすることで、街区に統一感をもたせている。B敷地のエントランスホールは3棟の還元焼成タイルのイメージを踏襲し、意匠の異なる還元焼成タイルを内装壁にも使用。ダークな色合いの壁面と白の壁面を対峙させて、緊張感のある美しい空間が演出されている。
設計者の声
大成建設株式会社/設計本部 建築設計第一部 部長 塩谷 尚斉 様
計画地の北側には大阪球場跡地にできた複合商業施設「なんばパークス」があることから、連携したまちづくりを考えました。A、B、Cの敷地それぞれに進めてきた計画ですが、ひとつの敷地にあったことから、全体の統一感を持たせる提案をさせていただきました。そのプランに各事業者様よりご賛同いただき、低層部や歩行者空間のデザインは、統一性を持たせることで決定いたしました。
大成建設株式会社/設計本部 建築設計第一部 シニア・アーキテクト 中野 弥 様
押出成形セメント板にタイルを引っ掛け施工する外壁乾式タイル張り工法「アスロックタイルハンギングシステム」を採用しました。施工性、安全性を含め施工試験を通じて慎重に納まりを検討しました。特に拘ったのは窓まわり、サッシ廻りのディテールになります。タイルの豊かな表情とサッシのもつ工業的なイメージをうまく融合させるために、フィンを出してシャープなデザインにするように心がけました。
大成建設株式会社/設計本部 建築設計第一部 プロジェクト・アーキテクト 丹下 幸太 様
半還元色のタイルは焼成する際に焼きむらがでてくるのが特徴で、ランダムに立面配置をすることで見る角度、時間により様々なキャラクターを引き出せるタイルです。「なんばパークス」イメージから、「赤」「黄」のアクセントカラーのタイルを織り交ぜることによりシックな印象のデザインとなり、街全体との調和を図ったデザインを目指しました。
DATA
(センタラ・ホテル&リゾート、
大成建設株式会社、
関電不動産建設株式会社)
B敷地:なんば開発特定目的会社
(南海電気鉄道株式会社、
双日株式会社、
株式会社日本政策投資銀行)
C敷地:大成建設株式会社、
関電不動産開発株式会社、
南海電気鉄道株式会社
A敷地:11番50号、B敷地:11番18号、C敷地:11番13号
B敷地:2023年1月
C敷地:2023年1月