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窓上手のテクニック/Livearthリヴアース 大橋利紀の心地よく自然とふれあう住まいのつくり方

設計手法A 心地よさの見える化 1 昼光利用 立地・日照条件と採光手法の検討

昼光利用の基本

まずは、1つ目の軸である「心地よさを見える化する」について、IBECs(一般社団法人住宅・建築SDGs推進センター)発行の『自立循環型住宅への設計ガイドライン』を使って心地よさを定量評価してわかりやすく表現することを学びながら、心地よさの要素技術である光と風の扱い方を考えてみましょう。
昼光利用の目的は3つ、手法は2つあります。
[目的]
@ 照度の確保
A 人工照明エネルギー消費の削減
B 刻々と変化する光がもたらす視覚的な心地よさ
[手法]
@ 採光手法:開口部から光を採り入れる
A 導光手法:窓まわりや室内の反射を利用する

昼光利用4つのステップ

次の4つのステップを進みながら、その住まいに適した昼光利用の方法を検討します。
ステップ1:「立地条件」と「日照条件」の検討(敷地の日陰シミュレーション)
ステップ2:「採光手法」直接的な昼光利用手法の検討(室内の日照シミュレーション)
ステップ3:「導光手法」間接的な昼光利用手法の検討(室内の日照シミュレーション)
ステップ4:昼光が不足する部分を把握し、照明設備で補う
昼光利用4つのステップ

立地条件と日照条件を見る

ステップ1の「立地条件」と「日照条件」の検討は、言ってみれば、敷地に対してどの位置に建物を配置するか。冬場の日射熱の取得とも重なる部分ですので注意が必要です。
立地条件は大きく、@過密・高層型立地、A過密型立地、B郊外型立地の3種類に分けられ、それぞれに特徴があり、使うべき採光手法も異なってきます。
下の写真は「堤の家」の敷地の日照シミュレーションです。
このような方法で、日のあたり方、影の位置・大きさを視覚的に把握することができます。
立地条件と日照条件を見る

採光手法=窓の配置・大きさを考える

ステップ2の「採光手法」を平たく言うと、建物のどこに窓を配置して、その窓をどのくらいの大きさにするかを検討するということ。
おすすめの開口部の位置は、空と庭です。
まずは空を狙って吹き抜け経由で光を採り入れ、次に周囲からの視線がないなど条件がいい場合には庭を狙います。
原則、隣家に窓がある位置は避けます。
どこに窓を設けるかだけでなく、窓の形・種類の検討も不可欠です。
腰窓・掃き出し窓は、照度の均一性は中程度ありますが、近隣からの影響が大きく、昼間でもカーテンが必要な場合が出てくるため注意が必要です。
一方、高窓、頂側窓(ハイサイドライト)は照度の均一性が高いうえ、近隣からの影響が小さいため、効果的に使いたい窓だと言えます。
「光芒の家」。北側道路に面し、南西に3階建ての住宅、東西にも住宅が隣接し、四方を囲まれた東西に長い縦長の「過密型立地」。唯一、南東方向に空が抜ける部分があり、そこを狙って一点集中的に頂側窓(ハイサイドライト)と吹き抜けを配置。光が注ぐ吹き抜け空間を立体的に囲むように1階にLDKとスタディコーナー、2階にライブラリーコーナーを設けた
採光手法=窓の配置・大きさを考える

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