窓上手のテクニック/PASSIVE DESIGN COME HOME 木村真二の窓上手になるパッシブデザインのコツ

設計手法F 日照シミュレーションの目的と注意点

日照シミュレーションで日射を確認

ここまで触れてきたように、パッシブデザインの基本は南窓から冬の日射熱を入れることです。
その際、周囲の建物や自分自身の建物で日影ができていないか、日照シミュレーションを行って確認していますが、ここもパッシブデザインの基本の1つだと考えています。
暖かさは家の中にいかに「陽だまり」をつくるかで大きく変わります。
日照シミュレーションを行うことで、南に窓を設けたけれど、そして室内は明るくなるけれど、日射が入る時間が例えば1時間しかないことがわかったりします。
これでは陽だまりはつくれません。
ただし南の窓を多く設ける場合は日射遮蔽を徹底し、夏に陽だまりをつくらないことが、暑さ対策として重要になります。
私は「光と熱(暖かさ)は分けて考えてください」とお客様にも、そして指導している工務店さんにもよく言いますが、それはこういう意味からです。
そして本当に日射熱が入ってくるかを日照シミュレーションで確認するわけです。
日照シミュレーションの具体的な方法は最後に解説しますが、私たちは「スケッチアップ」というソフトでシミュレーションしています。
これはUA値0.33、ηAC0.7、ηAH2.0を実現したコートハウス事例ですが、日照シミュレーションを行い、両側の袖壁からの日影を考慮して高窓を採用しています。
平屋のような中庭のある家・コートハウス
コートハウスの袖壁からの日影の影響に注意
平屋のような中庭のある家・コートハウス
コートハウスの袖壁からの日影の影響に注意

日照で注意すべき形状・配置や部位

「L字型パターン」や「コの字パターン」、「45度の出隅型」「45度の入隅型」などの形状・配置とする場合は、日照について注意する必要があります。
日照シミュレーションで影が窓にかからないか確認しておきます。
L字 コ字は注意が必要
45度の出隅型
45度の入隅型
L字 コ字は注意が必要
45度の出隅型
45度の入隅型
バルコニーの手すりも上下に影をつくるので注意が必要です。
以下のスライドでは910ミリの場合と1365ミリの場合で影を比較してみました。
また2階の窓にも影がかかることがあります。
バルコニー手摺910・1365
バルコニー手摺にも注意
バルコニー手摺910・1365
バルコニー手摺にも注意
軒を大きく出す場合も要注意です。
軒が深い住宅だと、ほとんど冬に日射が入ってこない場合もあるかもしれません。
そうなるとパッシブデザインをやっているようでも日射熱を生かすことができず、ただの高断熱住宅になってしまってもったいない。
なお、軒を深くする場合、横長に窓を取るのも窓の設計の基本です。
軒の深い建築は要注意

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