省エネルギー基準

省エネルギー基準(以下省エネ基準)は建築物が備えるべき省エネ性能の確保のために必要な建築物の構造及び設備に関する基準で、建築物省エネ法に明記されています。住宅においては窓や外壁などの外皮の熱性能に関する基準と設備機器などの一次エネルギー消費量に関する基準の2つの基準が設けられています。

外皮の熱性能に関する基準

(1)外皮平均熱貫流率( UA値)
住宅の内部から外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。値が小さいほど、省エネルギー性能が高いことを示します。
(2)冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)
冷房期に、外皮の各部位から入射する日射量を外皮全体で平均した値です。冷房期の日射熱取得量を外皮の部位の面積の合計で除し、×100した値です。

外皮性能の基準値

地域の区分 1 2 3 4 5 6 7 8
@住戸単位で基準への適否を判断する場合
(戸建住宅・共同住宅等)
外皮平均熱流率[W/(uK)](UA値) 0.46 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87 -
冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値) - - - - 3.0 2.8 2.7 6.7
A住棟単位で基準への適否を判断する場合
(共同住宅等)
住棟単位外皮平均熱貫流率[W/(uK)](UA値) 0.41 0.41 0.44 0.69 0.75 0.75 0.75 -
住棟単位冷房期平均日射熱取得率(ηAC値) - - - - 1.5 1.4 1.3 2.8

詳細は「国土交通省 改正建築物省エネ法のページ掲載 地域区分新旧表(PDF 7,868KB)」をご確認ください。

一次エネルギー消費量に関する基準

評価対象となる住宅において、①地域区分や床面積等の共通条件のもと、②実際の住宅の設計仕様で算定した設計一次エネルギー消費量が、③基準仕様で算定した基準一次エネルギー消費量以下となることを基本とします。一次エネルギー消費量は「暖冷房設備」、「換気設備」、「照明設備」、「給湯設備」、「家電等※1」のエネルギー消費量を合計して算出します。また、太陽光発電設備やコージェネレーション設備による創出効果は、自家消費分についてをエネルギー削減量として差し引くことができます。

住宅の一次エネルギー消費量基準における算定のフロー

住宅の一次エネルギー消費量基準における算定のフロー
  1. ※1 家電及び調理のエネルギー消費量。建築設備に含まれないことから、省エネルギー手法は考慮せず、 床面積に応じた同一の標準値を設計一次エネルギー消費量及び基準一次エネルギー消費量の両方に使用する。
  2. ※2 コージェネレーション設備により発電されたエネルギー量も含まれる。

一次エネルギー消費量の算定・評価は、国立研究開発法人 建築研究所の「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版) 」を用いて行います。
エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版) は、国立研究開発法人 建築研究所のホームページにて公開されています。

国立研究開発法人 建築研究所 建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報

省エネ基準の評価ルート

省エネ性能を評価するためには3つの評価ルートがあります。

省エネ基準の評価ルート

@ 標準計算
商品を自由に選択して、省エネ計算をすることができます。作業工数が多くなりがちですが、省エネ性能を正確に評価するなら標準計算がおすすめです。

A 仕様・計算併用
外皮性能を仕様基準、一次エネルギー消費量を計算で評価する方法です。

B 仕様基準
省エネ計算をせずに、省エネ基準への適否判定が可能ですが、採用できる設備等に制約があります。国土交通省 建築物省エネ法 資料ライブラリー内の「仕様基準に基づく仕様表作成ツール」に各部位・設備ごとの仕様を記入する事で省エネ基準への適否を確認することができます。詳細は、国土交通省 建築物省エネ法 資料ライブラリー内「仕様基準ガイドブック」及び「仕様表作成ツール入力の手引き」をご確認ください。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/04.html

省エネ基準適合義務化について

2025年4月以降に着工する住宅について、省エネ基準への適合が義務化されました。
適用範囲は10u超の新築・増改築について適用されます。増改築の場合は、増改築を行う部分が対象となります。なお増改築には、修繕・模様替えに該当するリフォームは含まれません。
省エネ性能の評価ルートを「@ 標準計算」や「A 仕様・計算併用」を選択した場合、建築確認審査時に省エネ適合性判定を受け、適合判定通知書が必要になります。一方、「B 仕様基準」を選択した場合は、省エネ適合判定を省略することができます。

建築確認と省エネ適合性判定のフロー

【参考】省エネ基準の評価ルートの各制度への適用

「@ 標準計算」以外の方法は、HEAT20や断熱等級6・7には適用することができません。そのため、上位性能の住宅を提案するためには、「@ 標準計算」で住宅の性能値をしっかり算出し、ご提案することが重要です。そのうえで、確認申請時には「B 仕様基準」を活用※して、業務の効率化を図るのが良いでしょう。
※床暖房を採用する場合は適用不可

省エネ基準の評価ルート

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